ついにこの時がやってきた。「PLAMAX MF-43 minimum factory ディードリット」の再販だ。さっそくポチッた。もちろん購入上限数の3つ。いまから10月が待ち遠しい。もちろん先回、2020年3月に発売された時にも購入したが、何を血迷ったのか、1つしか買わなかった。そしてこの「ディードリット」は森の妖精エルフのその名の如く、あっと言う間に市場から消え去った……。
ビールを飲みながらこのキットを眺めつつ「ふたつめはそのうち買えばいいや」と思った当時の自分を叱る。我が家の「ディードリット」はひとつしかない虎の子キットだったので、失敗が怖くておいそれと手を付けられず、しばらくのあいだ手つかずだった。でも再販の知らせのおかげでようやく気兼ねせず作れる。
ディードリットは小説『ロードス島戦記』に登場する帰らずの森出身のハイエルフだ。1988年に角川文庫から刊行された「ロードスという名の島がある」で始まるファンタジー小説で、呪われた島ロードスを舞台にした英雄たちの興亡と冒険を描いた物語である。1991年にはアニメ化もされた。
そして小説の口絵・本文イラストを出渕裕氏が担当している。出渕氏が描いたディードリットは、それまでのエルフにはない非常に長い耳を持っていた。ディードリットのその特徴的な耳は、その後の国内ファンタジー作品におけるエルフのイメージの先駆けとなっている。
そんなエポックメイキングなキャラクターを立体物として手に入れられるのがプラモデルのいいところ。月刊モデルグラフィックに掲載された美しい作例に息を呑んだ。でも自分はそんなに上手く作れない。なかなか手を出せずにいた。でもお気に入りのカタチを楽しめないのではせっかくのキットがもったいない。楽しめないのはつまらない。発売からなかなか再販されず、手を付けられなかった。ようやく再販される。この機会を逃すべきではない。というわけで、さっそく作った。
PLAMAXのフィギュアシリーズは1/20サイズでとても小さい。それ故に敬遠している人も多いのではないか?私もそう思っていた。1/20という小スケールになると塗装で敬遠されがちだ。だがそれは、ヘッドルーペとタミヤの「モデリングブラシPROⅡ 面相筆 細」という適切な工具で解決できる。
しかし、フィギュアの一番の鬼門である瞳はどうか。1/20となるとかなり小さい。もちろん大きければ塗れるというものでもないが、そもそもの経験値が低いと小さくなればなるほど難しく感じてしまう。でもいまは瞳デカールがある。瞳がデカールで再現されているので塗る必要がない。楽勝だ!おまけにキットには瞳デカールが3セットも用意されている。……ということは2回も失敗できるのだ。デカール貼りに関するノウハウはネットに溢れている。デカール貼りに便利な工具もそろっている。そんな情報を参考にして頑張れる。それだけの価値がこのキットにはある。
そしていま、私は組み立てたキットを眺めつつ、2つ目のキットをどのように塗装しようか考えながら、10月の再販を心待ちにしている。