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【レビュー】改良進化の集大成が組んで触って頼もしい!/PLAMAX 1:72 VF-1 ストライクバルキリー


 気が付けばPLAMAXのバルキリーファイターもバリエーションを重ねていて、劇場版の大本命と言えるストライクバルキリーがリリースされたのも半年以上前(!)。ブースターが足されたんでしょ?くらいに思っていたのだけど、遅ればせながら実際に組んで手にしてみたら想像以上の大傑作!パーツ追加にとどまらない、PLAMAXバルキリーの集大成といえる内容だったのでその良さみをシェアしたい。

 飛行機本体としての部分はファストパックなしの素のPLAMAXバルキリー由来なのでここでは割愛……としたかったんだけれど、そうもいかない点がいくつもある(!)。PLAMAXのバルキリーの金型は細かく改良が加えられていたようで、主翼部品はまさにそれ。

 シリーズ最初のキットではシールでの表現だった翼端灯などのモールドが追加され、飛行機プラモとしての精密感が増している。さらに表裏の貼り合わせ勘合も見直され、上面へ勘合として貫通させていた丸モールド部を上面と一体化し、他の彫刻と馴染むようになった。これらはバリエーションキットがリリースされるごとに順次追加改良されていたそうで、メーカー様に於かれましてはそういうこともアナウンスして欲しい(聞いてたら毎回飛びついたのに……)。

 そんなベース機体の改良部で面白かったのはキャノピー先端部。キャノピーの枠とノーズコーンにはさまれた箇所に白い部品を置き、最後には塗装かシール/デカールで黒くする指定になっている。実はこの箇所はもともとキャノピーの枠と黒く一体成型された部品だったのだけれど、TV版カラーのリリースに合わせて変更されたのだそうだ。劇場版のカラーリングを前提にした場合、改良とは言えない変更なのだけれど、キャノピーを開けた状態に改造しようと思ったときにデフォルト状態で窓枠で独立したパーツが手に入るようになったのは悪くないと思える。

 マーキングはデカールとシールの両方が付属するようになった。地味に大きな改良点だったのがシールの台紙。シリーズ初期のキットではひとりでにカールしてしまい、丸まってしまった台紙を広げながら貼ることになるシロモノだったのだけど、素材が見直されて快適に使えるものになった。自分が最初のキットをレビューしたときに苦言を呈した点のことごとくが改善されているのだ(!)。

 新規ランナーに目を向けてみると総じてスジボリが深い。シャープだとか細いとかそういうことではなくて「深い」。ここ最近のトレンドともいえるタッチを活かして塗膜をしっかりと乗せるタイプの筆塗りを意識してか、既存ランナーのそれよりも明らかに深い。

 追加装備であるファストパック部分だけが深めに設計されたのかと考えていたんだけれど、白い新規ランナーの部品も明らかに既存ランナーに比べてスジボリが深い。写真に撮っても彫刻の影の落ち方が深いのがわかると思う。ファストパックに接する部分なのでバランスをとっているのかもしれない。

 このキットの目玉といえる背部ブースター。先述したモールドの深さもさることながら、キモといえるのはその固定方法。垂直尾翼を折りたたんだユニットの左右から、これでもかというほどにしっかりとした勘合を設けている。

 尾翼ブロックにどれだけしっかりと固定されていたとしても、その尾翼ブロック自体は繊細なヒンジで畳む構造を再現しているので結局脆いのではないか?と思ってしまうのだけど…

 左右ファストパック側から本体背面にもう一点接するようにマウントが存在する。折りたたまれた尾翼ユニット左右だけではなく胴体背面に設けられた勘合で確実かつ強固に固定される。設定では尾翼ブロックへの固定だけなのだけど、そのまま素直に再現するとどうしても強度的に不安の残る箇所だった。この勘合はこの製品で追加された変更点ではなく、最初のPLAMAXキットから設定にはない謎の凹みとして存在していて、フタになる部品を貼り付ける仕様だった。ここにきて「答え合わせ」が成されたことになるんだな。

 この固定強度のおかげでブースターをわしづかみにして持てる!。勘合の太さだけでなく、多点支持からくる剛性の高さがあってこそ。これだけ丈夫だと展示会への参加なんかでも安心して運べるね。


 下面へ畳まれる腕部も、その追加パックのハメ合わせも、そしてそこから吊るされるガンポッドの固定も、「これでもか!」というほどしっかりと組みあがりの剛性を意識したものになっている。だからこんな風にガンポッドをつまんで持つことも難なくできる。全体に剛性が高いので安心して手でつかんで快適にスーパー/ストライクパック装備の姿をぐるぐるいろんな角度から眺めることができる。模型と言ったら精密さや繊細さが魅力としてフィーチャーされがちだけど、机に静置した状態じゃわからない「手にもって眺められる丈夫さ」も魅力たりえるんだな。

 買うだけじゃなくて、組むだけじゃなくて「実際に手に持って眺めて」みてほしい。盛りに盛ったフル装備を安心して手に持てるってだけのことが存外に面白いんだなって実感できるから。ホントに手に持ってるほどに嬉しいんだよ。このキット。組みやすさ、扱いやすさを掲げたコンセプトの結実とそこに至るまでに続けられた改良進化。PLAMAXファイターバルキリーの到達点として、何機も組み揃えたくなるだけの魅力をしっかりと備えている。

HIROFUMIXのプロフィール

HIROFUMIX

1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。

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