最新記事やプラモデル情報を毎日お届け!
follow on Xをフォロー!

たったひとつのオマケが語りかける、「あなたのプラモをあなたの好きな色に塗って良い理由」。

 プラモは組んでも塗っても楽しい遊びですが、「自由に塗りましょう」と言われてもなかなか困る。なぜならモチーフ(模型化されたもの)にはだいたい固有の色があるからね。絵を描くときだって、空を緑に塗るのは勇気がいるし、川を真っ赤に塗るのも恐ろしい。
 たとえばアメリカの軍用車両というのはオリーブドラブで塗るもんだと相場が決まっているんだけど、そこにスッと現れたのがホビコレというプラモ通販専門店の限定アイテムです。サンプルをいただいたので、発売前レビューと参りましょう。

プラッツ(PLATZ)
¥5,486 (2026/05/26 04:08時点 | Amazon調べ)

 イタレリ製のジープがベースになっているこのプラモ(ウィリスMBの80周年記念キット。商標の事情で日本では「アメリカ軍 1/4トン 4×4トラック」という製品名が使われています)。箱の中には日本のアスカモデルが販売しているサーフボードのパーツが同梱されています。「軍用車両+サーフボード=終戦」というメッセージが込められているわけ。
 そもそも日本でサーフィンのカルチャーが発生したのは、進駐軍の米兵たちが板切れを載せたジープでビーチに乗りつけ、波乗りをしている様子を見た人たちが一緒になって遊び始めたのがきっかけだと言われているらしい……という物語をこのパーツだけで演出するの、とっても素敵でクレバーだと思いませんか?

 しかもこのキット、ミリタリーモデルでよく見かける1/35スケールじゃなくて少し大きい1/24スケールなんです。つまり、普通に売られているカーモデルのメジャーな縮尺と同じ。エンジンも入っているし、1/35だったら組みづらそうな、けっこう細かいディテールまで拾ったキットになっています。ほら、だんだん「軍用車の模型じゃなくてカーモデルじゃん?」という雰囲気を嗅ぎ取れるようになってきたでしょ。 

 タイヤはプラスチック製のものとゴムらしい感触を楽しめる(そして塗らなくても黒いのが嬉しい)軟質素材のどちらかを選ぶことができます。このへんもいわゆるカーモデルライク。ちなみにジープは軍用車として大量に生産されましたが、戦後は払い下げられたり民間向けにも販売(ボディカラーもたくさん選べたみたいよ!)されたりして、現在でもいっぱしのブランドの名前になって生き残っていますね。

 組み始めるとなかなか手強い。ハシゴみたいなフレームを組んでからサスペンション機構やデフを取り付け、ステアリングのリンクを組み上げていくのですが、動きそうなのに動かない設計がちょっと微笑ましい。いわゆる「組み応え」ってものを感じながら、接着剤でしっかりと水平垂直をってピシッと組み上げていきましょう。

 はてさて、ジープらしい形になってきました。サーフボードを荷台に積んで、潮風を感じながら海岸線の道路を走り抜けるさまを想像しているとワクワクしてきます。こうなったらこのジープは米兵のものではなくてあなたのマイカー。さて、どんな色でガレージを飛び出しましょうか。このプラモに添えられたサーフボードは、バチバチの軍用車両に備わった硬さや重さをヒラリとかわす素敵なアドバイスです。ホビコレの粋な提案に応えて、自由な色を塗る冒険を楽しみましょう。

プラッツ(PLATZ)
¥5,486 (2026/05/26 04:08時点 | Amazon調べ)
からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

関連記事