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画期的アイディアで「組みやすい飛行機プラモ」を示してくれるズベズダの小さなYak-3。

▲スナップフィット(接着剤を使用しないでも組むことができるプラモ)ということだけでは語ることができない快適さがあります!
▲何度味わっても楽しい、ズベズダ1/72スケール スナップフィット飛行機模型の合体シークエンス!

 第二次世界大戦において最も優れたソ連戦闘機の一つとして挙げられるのが、「ヤコブレフ Yak-3 戦闘機」です。今回ご紹介するロシアのトッププラモメーカー・ズベズダのYak-3のプラモを手にすると、「ロシアの人にとってYak-3は祖国勝利の立役者とされているのかな〜」なんて想像してしまいます。
 それは、これまでnippperの記事で紹介してきた接着剤を使わないで組むことができる「ズベズダ 1/72 スナップフィット飛行機模型」シリーズの初期アイテムとしてラインナップされているからです。自国の人への「プラモの入り口」となって欲しいと考えられたプラモなのだと思います。

▲こちらは同シリーズのハリケーンを紹介した記事
▲パーツ数は46。接着剤を使わないということだけでなく、パーツ数もスリムにしながら飛行機模型として成り立つように考えられた内容になっています

 スナップフィットということよりも、僕個人としては少ないパーツ数でありながら、パーツ分割や彫刻でしっかりと魅せてくるプラモであるというところが気に入ってます。Yak-3も、たった46パーツでパイロットやコクピットの細部まで表現しており、組み上がった時の満足感もしっかり提供してくれるのです。

▲プロペラが一体なのはよくみますが、スピナーヘッドまでプロペラと合体!
▲パイロットを入れてくれているのが嬉しい! 造形も昨今のデジタル造形なので、各部のシワもピッタリ合った精悍なパイロットをゲットできます
▲このシリーズのパイロットの分割は最高! 分割ラインが体のラインに沿って配置されているので、不自然になりません! コクピットの操縦桿もビタ〜っと握れます 。パイロットのお尻は椅子と一体になっているのも注目ポイントです

▲そして飛行状態と駐機状態も僕たちに選択させてくれます

 46パーツの中に、駐機状態と飛行状態のどちらかを選べるパーツや、パイロットの有無を選択できるパーツなど、ユーザーのニーズにまで踏み込んだ構成となっているのも素晴らしいです!

▲タイヤは脚じゃなくて、カバーの方に接続するのか!! 確かにそっちの方が接続面積が広くてガッチリ固定されますね

 初めて模型を作る時や、初めてのジャンルに挑戦する時、どこにパーツを接続するのかわからなかったり、プラプラプルプルと安定しなかったりすると一気にテンションがダウンしますよね。このプラモはそれがほとんどありません。パーツを接続する場所は明快で、豪快。カタカタと不安定になりそうな場所にはパーツの接続を配置していません。
 タイヤは脚から伸びる軸に挿すもんだろうという固定概念がありましたが、スナップフィットにした場合、その方法だとタイヤを差し込んだ力で脚を破損させてしまうユーザーもいるかもしれません。そこで多くの人にとっての安全策としてカバー側に軸を持ってきています。タイヤの接続軸の上には脚部とガッチリ接続できる軸が生えており、「繊細な脚の作業ってしんどいよね!」という世界共通言語がこのカバー裏には刻まれているかのようです。

▲接着剤を使うとさらに最高の組みやすさ!!

 スナップフィットだからって、接着剤を使ってはいけないなんてことはありません。小さいパーツなどは軸も繊細で力を入れるのが怖いです。このようなパーツには接着剤を塗ってからグッと押し込むとスムーズに入りかつガッチリと接着されます。
 何より、スナップフィットキットの良いところは、パーツを置く場所が明確になっていること。ここらへんよ〜という雰囲気的なパーツ位置はいっさいなく、軸と穴が用意されているのでパーツの接着においてもアドバンテージになるんです。きちんと貼れるので、自ずと組み上がりも綺麗になります。

▲クリアーパーツのキャノピーがスナップフィットになっていると本当に心が穏やかになります

 本当にここだけ他の飛行機模型もこうなっていると最高なのに! とズベズダのスナップフィットキットを組んで思い知らされるのがキャノピーです。キャノピーは枠を塗った後に、神経を使う接着作業があります。塗料を溶かさないように……接着剤でクリアーパーツを曇らせないように……さまざまなストレスが襲いかかってきます。クリアーパーツを貼る専用の接着剤もありますが、キャノピーがスナップフィットのようなものになっていれば、そのような接着剤を準備することなく、塗装後に快適に組み上げることができますよね。

 パーツ分割の面白さや、パーツ数を少なくして削ぎ落としてもきちんとかっこいい飛行機模型に見えるのか? というズベズダの挑戦を体感できるこのシリーズ。パッケージのどこかに赤丸で飛行機がバラバラになっているマークが目印です。ぜひ一度、ズベズダのエントリープラモに対するアイディアを体感してください。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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