ロシア最大の模型メーカー「ズベズダ」。最近「パーツを少なくして、最低限の工具を使いながら、接着剤無しで多くの人が組み立てることができる」スケールモデルを精力的に発売しています。基本接着剤は使用しませんが、一部の商品においては、あなたが接着剤を使った方が組みやすいと思ったらどうぞ使ってねというフォローがあったりして、なんともおおらか。
ロシアのメーカーが考える「お手軽にプラモを触ってほしいな〜」という思いが込められているズベズダのスナップキットシリーズは、創意工夫、時には履帯パーツを強引に曲げさせる様なゴリラ組みを要求してきますが、新作が出るたびに本当に楽しませてくれます。今回ご紹介する新作「イギリス空軍 ホーカー ハリケーン Mk.2C」も最高のプラモだったので2回に分けてご紹介します!
51パーツという少なさで、しかも接着剤不要にスナップフィットで完成するハリケーン。少しスナップフィットはまだ固いけど、そんなのはピンを少し短く切るだけで全く問題無し。すい〜っと入っていくので30分で組み上がりました。飛行機模型が初めての人でも1時間以内に組み上がると思います。パーツを見るだけでもその秘密の一部がわかると思います。
とにかく感動したのがクリアーパーツの構成と精度。接着するのにプルプルすることなく、軸で接続できるし、接着剤も必要ないからパーツが曇ることもない……キャノピーも置くだけでOKの精度。クリアーパーツのストレスの解放は嬉しい限りです。
ズベズダの飛行機模型の良いところはフィギュアがかなりのアイテムにセットされるということ。これによって飛行機に表情が出ますし、コクピットを作り込むか、人を乗せて情景を楽しむかなど遊びの幅が一気に広がります。こういう選択の楽しみまで提供されているんです。本当に良いプラモ。
箱を開けた時に「お! かっこいい」と思えるパーツのディテール、「これなら今日にでも飛行機になるぞ!」と肩を押してくれるパーツ数、「組みやすいなぁ」と感じさせてくれるパーツの接続方法がまとまっているだけでもすごいのに、さらに接着剤を使用しないでこの飛行機プラモは形になっていくのです。ロシアメーカーが考える、プラモを楽しんでほしいと考えるズベズダエントリーグレード。ぜひ一度楽しんでください。次回はこのハリケーンがどんなふうに組み上がっていったのかをお届けします! それでは〜。
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)