そのランナーを売ってくれ。/SDW HEROES ヴェルデバスターとその仲間

 晩飯を食べて、酒を飲みながらしこたまヴェルデバスターを組む。SDW HEROESというシリーズで発売されているヴェルデバスターはいままで3種類が売られている。それを合計4つ買ってきて、4つ組む。そうしないと見えない景色があるし、実際組んだらめっちゃ景色が見えてすっげえ楽しかった、という話だ。

 サージェントヴェルデバスターとサージェントヴェルデバスターDXセットに入っているクリアーレッドのパーツ。フェイスにはめ込まれるカメラアイ(というか、バイザー?)と、両膝に組み込まれるパトランプ。そう、こいつはLAPDのめちゃくちゃ強そうな警官がモチーフになったガンプラだ。

 こちらはヴェルデバスター隊員に入っているクリアーブルーのランナー。LAPDって言った時点でお分かりのとおり、アメリカの警察はパトランプが赤青2色でセットになっているからキャラ立ちするのだ。しかし、単品で買ってくるとコストの問題でクリアーレッドかクリアーブルーの2択になっていて、「そうじゃないほう」のランプはシールを貼って再現することになっている。すなわち、クリアーではなくてシールのメタリックブルーorメタリックレッドになってしまうということだ。

 とりあえずサージェントヴェルデバスターとヴェルデバスター隊員を買ってきて、言われるがままに組むとこうなる。十分かっこいいけど、膝のパトランプが赤/赤と青/青になってしまい、設定とは違う仕上がりになるのだ。当然ながらバンダイスピリッツはそれをしっかり理解している。

 サージェントヴェルデバスターとサージェントヴェルデバスターDXセットを買ったら、それと同じ数のヴェルデバスター隊員を買ってくる。全部組んでから組み替えて、膝のパトランプを組み替えると赤/青の組み合わせが楽しめる上にサージェントヴェルデバスターDXセットのオプションパーツで余った装備をヴェルデバスター隊員に貸与することができる。もはや何を言ってるのかほとんど理解できないかもしれない。

 組み上げてからしこしこパーツを入れ替えて設定と同じパトランプの色に揃えていく。プラモは単品で完結していることがほとんどだし、色が違うとか言ってもだいたいのことは塗装でどうにかなるのがプラモだ。しかし、クリアーとなると話は別。クリアーパーツを自作するのはすごく難しいから、こうやって複数のアイテムがお互いの色設定を補完し合うというウルトラCをビジネスに仕立てることができる(たくさん買うと設定通りの色再現が楽しめるぞ!というのは販促ページにも書かれているし、私はまんまとそれに乗っかったわけだ)。

 驚いたのはサージェントヴェルデバスターDXセットのシールである。通常版のサージェントヴェルデバスターと比べるとより多くの場所に対応したシールが用意されていて、「劇中に登場するサージェントヴェルデバスターはDXセットのシールを貼って初めてデザインの意図が完璧に伝わるんすよね〜」という雰囲気を醸し出している。色違いのパトランプを買って設定に近づきたいという誘蛾灯にフラフラと吸い寄せられた私は、いつの間にかSDWのエコシステムの中でめちゃめちゃ楽しく同じようなモチーフを4回も組み立て、毎度その差異と「差異を再現するためのバリエーション展開」にどっぷりやられていた、というわけだ。

 まあいろいろ書いたわけですが、SDW HEROESはとにかくめちゃくちゃにシールを貼るのが楽しいということと、晩御飯を食べたあとでもボコボコ食卓の上で「プラモの完成品ができる」という体験ができるのが楽しい。更に言ってしまえば、私はまだヴェルデバスターを作りたいし、今度は塗装とか装備違いの新しいバリエーションを並べたりして「群れ」としてのガンプラを愉しみたいとすら思っている。むかしむかし、SDガンダムにおネツだったアニキにこそ、こういうサラリーマン的なプレイバリューを味わってほしいなと思うので、書いた。みなさんも、書きましょう。そんじゃまた。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。