タミヤ初の1/72航空機プラモシリーズの零戦が繋ぐ浪漫飛行。

▲僕の知らなかったレジェンドプラモを手に取り、本で調べたりしながら作る。タミヤ1/72飛行機模型のバックボーンを知る体験

模型店の棚に、ひっそりと知らない零戦がありました。でも箱には思いっきり「タミヤ」のマーク。なんだろうこれは? 値段もすんごく安いし箱も開けられたので見てみると、全面にワクワクするような凸リベットが……。この零戦はなんなんだ!?

▲文藝春秋から発行されている「田宮模型全仕事3 シップ・エアクラフトモデルズほか」で早速確認。めっちゃでかく載っていました……読み込みが足りん! 喝!!!

タミヤプラモの軌跡がまとめられている「タミヤ模型全仕事(文藝春秋)」は、スケールモデルの楽しさがぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、いつページをめくっても楽しい本です。ミリタリー、車・バイク、飛行機・船とメインテーマごとに3冊に分かれています。これなんだっけ?って時にはいつもめくっています。そして今回もこの零戦について書いてあるかな〜って調べてみると、デカデカとありました……。プラモも手元にあるし、気をとりなして読んでみると、

1/1964年に誕生。タミヤ初の1/72航空機シリーズ。各部のギミックは最小限でパーツ数も少ない。

2/プロペラが回るモーターライズを念頭に開発されたシリーズ。当時は1/72スケールに合うモーターが存在せず、そのため小型モーターを自社開発。それが後のマブチ・ベビーモーターになるとのこと。

3/1970年にはモーターライズ仕様を撤廃し、1/100シリーズのスタンドが付属してディスプレイモデルとして生まれ変わる。

▲この零戦には3種類のパッケージが存在し、私が手にしたのは1970年に販売された最後期のものでした(イラストは小松崎茂氏による名作)。モーターライズを廃止し完全にディスプレイモデルとなっています

モーターライズというタミヤのプラモで覚えた言葉が込められた零戦だったのか……とひとつまた知識が増え、模型のギミック上の制限や時代のニーズに合わせてディスプレイモデルへとキット内容が変更していく様はまるでタミヤの戦車模型と同じですね。そしてこの零戦を眺めたり、組んだりすると、現在の1/72ウォーバードコレクションにも大事なことが引き継がれているな〜と感じるのでした。

▲凸リベットが目一杯入っていて情報量満点。翼端も短くしっかり三ニ型らしくなっています。小さな飛行機模型でも特徴やかっこよさをしっかりと体感してもらいたいという造形が盛り込まれています
▲パイロットアニキもただ座っているだけでなく、手に演技を取り入れています。飛行機の胴体の凸リベットも主翼同様、目を楽しませてくれる魅力的なディテールです
▲マーキングは水転写デカール
▲いつの時代も、タミヤのプラモが僕らの参考書。機体や塗装、マーキングの解説がしっかりとまとめられています
▲完全ディスプレイキットとなった証がこのスタンド。モーターが入ってプロペラが動かなくても、飛行機は飛ばして飾ることで、僕らに動きを感じさせてくれる。ディスプレイキットへの掛橋

現在の1/72 ウォーバードコレクションも少ないパーツ数と工夫したパーツ分割で組みやすさを重視(その中でもイタレリ製ではなくタミヤ製のものは特に素晴らしいです)。コレクション製がとても高い飛行機模型シリーズになっています。また説明書にも組み立て方だけでなく、プラモを買った人が楽しめる解説が収録されています。まさにこの零戦があの時代から提示していることをしっかりと継承しているんですね。そんなレジェンド零戦を触っていると現代の零戦にも会いに行きたくなりました。今夜は最新の1/72 零戦とレジェンドの1/72 零戦の浪漫飛行を楽しもうと思います。それではまたのフライトで。

▲各部古臭いけど、飛ばして飾るだけでグッときます
<a href="/author/fumiteshi/">フミテシ</a>
フミテシ

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。