

アニメメカのデザインに一目惚れしたのはひさびさ。メガネを新調しに行ったついでに買ったプラモはTVアニメ『86―エイティシックス―』に登場するレギンレイヴ……のなかでも、ひときわ目を惹くミサイルポッド装備のアンジュ・エマ搭乗機だ。クレナすまん(選択して組み立てられるが、こっちはめちゃくちゃ巨大な大砲が付いていて既存アイテムとそこまで設計思想が違わないのだ)。

四脚のマシンにめちゃくちゃ反動の大きそうな大砲を詰むのはどうなんだ、みたいなSF思考も脳内に渦巻くエイティシックスのメカだが、ボディそのものを隠してしまうほど巨大なミサイルポッドを装備しているスペシャルな機体となると話は別だ。セクシーな曲率の白い箱に黒と赤のアクセント。ツルッとした外装とメカニカルな臓物のコントラストも本当にイカす。『シドニアの騎士』がすきならこのカラーリングも大好物でしょう。

意気揚々と帰宅して「さて、ミサイルポッドの色分けをいつものバンダイスピリッツ流パーツ分割で楽しませていただきましょうか」と舌なめずりしていたのだが……。

シールの面積がめちゃくちゃすごい。赤いプラスチックで色分けされているのはミサイルポッドの先端部だけで、機体そのもののアクセントとなる色はほとんどシールに頼る仕様だ。正直バンダイスピリッツのプラモに付いてくるシールというのはカットラインの精度と色味合わせの技量にいつも驚かされるから、これもシールで仕上げればちゃんと「見られる完成品」が手に入るだろう。
とはいえ、説明書を読むと「塗装する人はこのパーツを使ってね」みたいな部分もあって、1/48というスケールやメカデザインが引用している実在兵器のテイストなんかがオールドスクールなプラモユーザー……つまり、「塗装派」と括られる人たちにこそマッチするだろうという思惑(と、それをわかった上での目配せ)がされている。
そこにまんまと乗っかった自分にちょっと苦笑してしまうが、組んでいるうちに「これはおかわりもアリだな」と思える素晴らしいパーツ構成に惚れ込んでしまい、次に組むならどこをシールにしようかな、塗ったほうが楽そうなところ(あるいは自分の機嫌が良くなりそうなところ)はどこかな……なんて考え始めることになった。

左の赤い部分はシタデルカラーの筆塗り。ちょいちょいやって10分。右の赤い部分は付属のシールを貼ったもの。発色は当然シールに軍配が上がるけど、パーツの繊細なディテールに追従しないのでややもっさりした仕上がりになるのが悩ましい。とはいえ、自分が手を下すことで一目惚れしたカラーリングデザインが「完成」するというのはなかなか嬉しいことだ。色分けが完璧に近い最近のキャラクターモデルとはひと味違うハードボイルドな香りがどこかにあって、私はこのプラモをすごく気に入っている。
