プラモとプラモを組み合わせて、物語を作るのはあなた/『ホビージャパンエクストラ』最新号を読む秘訣。

▲ハセガワ製1/12のフィギュア用アクセサリーキットの数々

 プラモを買ってきて、ひとつのモチーフをビシッと作り上げる。これは至高の卵焼きを作るようなもんですね。いくつかのプラモを組み合わせて自分だけの物語を作るのは「卵と鶏肉とご飯で親子丼ができた」とか「卵と野菜とケチャップでオムレツができた」とか、バラエティの可能性に満ちています。

 前者はわりと「決まった手順を着実にこなす」というタイプの模型の楽しみ方で、うまくいくと相当な感動がありますが、後者もなかなかのもの。どこに着地するかをイメージしながらいろんな組み合わせを想像して、思いもよらぬ物語を生み出せたらしめたものです。

 ホビージャパンエクストラ最新号は「模型用小物の世界」という特集。手にとってパラパラと眺めると、まるで「フィギュアプラモの塗装ハウトゥがいっぱい載っている本」のように感じるかもしれませんが、あくまでもそれは特集の骨子である「模型用小物」と組み合わせるための役者です。

▲1/20で展開されている模型の代表例がサラッとまとめられています。案外いままでなかった切り口なんですよ

 プラモって、実物ではなかなかありえない組み合わせが楽しめます。また、実際に人間をいっぱい集めたり機械をたくさん集めたらとてつもない空間を専有してしまうのに、小さくなっているから小さな世界で物語を演出できます。

 言ってみれば、あなたは舞台や映画の監督。戦車と恐竜が揃い踏みする光景を現実世界で再現しようとすればとんでもない予算とスペースが必要になりますが、プラモならホイホイと並べて演出できてしまう。これ、けっこう凄いことだと思うんですよね。

▲1/24で展開されているフジミのガレージ&ツールシリーズ
▲1/48のアクセサリーは陸も空もクロスオーバーしてるぜ!

 見たことのあるものと見たことのないものを組み合わせる。見たことがないけど現実ではありえないもの同士を組み合わせる。これってプラモならではの面白さのひとつだと思っていて、『ホビージャパンエクストラ』最新号にはそのヒントがいっぱい隠されています。

 いろんなスケールの「小物(=それ単体では模型的に主役になるだけのパワーに欠けるよね……というアイテム)」をカタログ的に並べたことによって「ぬ、このスケールでこんなモノが発売されているのか!」という驚きがあり、「じゃあこれを使ってどんな舞台を作ろうかな?」と考えられるようになるというわけ。

 どっこい、いざ組み合わせようとすると案外「スケール(=縮尺)」がジャンルごとに偏っていたり、組み合わせるのにビビっちゃうような差があったりします。でも大丈夫。「模型用小物の活かし方」というコラムでは、雰囲気でジオラマを作らせたら最高にうまいアニキ、小池徹弥氏流の考え方とか買い物の方法、実際に作るときのメソッドが書かれています。

 もっと言ってしまえば、プラモと組み合わせるものはプラモじゃなくてもいい。見立ての達人、田中達也氏のミニチュアを使った世界(広告写真なんかでいちどは目にしたことがあるはずです)も収録することで「模型を使った物語づくり」というのは本当にイマジネーションしだいなんだということがよーくわかるようになっています。

 フィギュアを作るのは苦手……とか、ジオラマは土台から作らなきゃいけないんでしょ……というイメージでプラモの組み合わせ遊びを避けるのはもったいない!手軽に手に入り、組むだけでも形にすごく説得力のある「お手軽な彫刻」がプラモです。これをいろんな組み合わせで置いてみて、気が向いたらベースに固定したり色を塗ったりして、「わあ、おもしろい世界だね!」とだれかにワンダーを感じてもらえたら、こんなに楽しいことはありません。

 プラモとプラモを組み合わせる自由、そのイマジネーションが導く意外なストーリー。みなさんも、気軽に楽しむ権利があるはずです。いっちょユニークに、自分だけの物語を紡いではみませんか?

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。