

ワイスピが好きになってから何年か経ちまして、いちばん好きなのがFF8(『ワイルド・スピード ICE BREAK』という邦題は認めない過激派)のステイサムと赤ん坊のファイトです。何を言ってるかわからない人はとりあえず8作をぶっ通しでみましょう。大変なので。
さて、シリーズの大黒柱であるドミニク・トレットのダッジチャージャーですよ。アメリカンマッスルカーです。いつか作ろう〜なんつって買っておいたプラモがつい先日リパッケージされて再販されました。映画新作も絶賛公開中とくれば、これは組むしか無いだろ。プラモはそのうち情熱が失せてプラスチックがパリパリになってデカールは粉々になります。どんな言い訳をしてでもさっさと組んだほうがよろしい。
さて、ダッジチャージャーを買った理由は「ワイスピ狂のワイフがドミニク萌え〜って言いながら組むかもしれないし、ワイフがアメリカンマッスルカーのプラモを組んでいたらウケるな」というものだったのですが、ハコを開けたら映画同様かなりマッチョなプラモだったので「これはちょっと経験値が必要ですね……」と思い直し私が自ら組むことにしました。奥さんを大事にしたりしなかったりするのがワイスピ。みんなはマフィアと渡り合ったりせずに平和な暮らしをしよう。

アメ車の本体はメッキパーツ(断言しよう)。ボンネットから飛び出したトレードマークのスーパーチャージャーがスライド金型でドゥーンと再現されているだけで咽び泣いてしまいます。惜しいのはメッキパーツ以外全部白いプラスチックであることです。もし全部黒だったら組むだけで黒と銀の塊になって「だいたいドミニクのチャージャー」になりますからね。これは映画のプロップを模したキャラクタープラモなんだし、ワイスピはそれくらいの勢いがほしい。そうは思いませんか。オレは思う。

そして説明書で指示される最初の工程は無論エンジン。エンジンを組むとファミリーになれる。マッスル。白いエンジンじゃ1馬力もひねり出せなさそうなプラスチックのカタマリですが、塗装指示もなんだか頼りない。ここはオレの思う最強のマグナムV8エンジンをイメージしてかっこよく筆塗りしよう。ボンネット閉めればほぼ見えないけどね。スーパーチャージャーを突き出すために開いた穴のスキマからチラっと見えます。

ところで塗装はあとでどうにでもなるという精神のもと、仮組みを進めます。接着材で貼っているのでもう仮でもない。事態はいつも進行形だ。そして見給え、なぜかペダルが4つある。アクセル/ブレーキ/クラッチの頭文字をとって3つを「ABCペダル」なんていうけど、Dはなんなんだ。「ドミニク」なのか?それとも全然関係ないペダルなのか?ちなみにデアゴスティーニから発売されているダッジチャージャーの説明書をカンニングしたところペダルは3つしかなかった。真実は神の目だけが知っている……。

なによりビビったのはエンジンをシャーシに組み込む様子を素振りしていたときのこと。排気系のパーツがなにもない。普通はエンジンから出てきた排気は長いパイプで後方に導かれ、マフラーを通って出ていくもんだろう、というのはカーモデルをいくつか作っていれば常識としてインストールされておる。しかしこのプラモはエキマニの先端がブッツリ切れていて、そのまま。かぐや姫でも生まれたんか、というくらいの直管具合で説明書を五度見した。うるさそう。というか豪快すぎませんかこのプラモ。

仮組みしながら全体の構成を見ていたら、もう何もわからない。
ただ、ひとつだけ言えることがある。白いパーツを片っ端からブラックに塗りつぶして、このメッキパーツをバシッと貼ればドムのチャージャーが手に入るはずだということ。もう前しか見ない。こまかいことは考えずにワイルドなスピードで走り抜けて、肉を焼き、コロナビールの瓶を片手に祈ろう。ファミリーに祝福を。