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知らないモノからこそ、シンプルな「作る歓び」がある。/SUYATA 蒼穹の連合艦隊 伊四百

 今日も元気にネット通販の海を潜航していると、何やら見たことの無いメカニカルなプラモを発見。何だこれは。気になる。子供の頃、お菓子売り場で何だかしらんがカッコよさげな食玩を見つけて興奮した記憶が蘇る。そうだ、こういう時はスピーディーにこっそりとカートにブツをぶち込むのだ。中国のプラモデルメーカー、SUYATAからリリースされた、蒼穹の連合艦隊「伊四百」を買いました。

 蒼穹の連合艦隊とは……説明書を見ても、略してSRK(!)という情報ぐらいしか説明はありません。伊四百って大日本帝国海軍の潜水艦じゃないのですか……機体の解説は3行ほど書いてあって、どうやら隕石型魚雷を搭載した「特型潜空艦」らしいです。そうなの……。何もわからん……。

 実物も無い、バックグラウンドも(ほぼ)分からない、架空の乗り物のプラモデル。「ここが再現されてないぞ……あの時期のあの色と形を再現しよう」なんて込み入ったこと(勿論それも楽しいのですが)を何も考えずに、プラモデルを作るという行為に集中できる気がします。新番組のアニメ第1話を見るようなワクワク感がありますね。

▲ふむふむ、パーツ数も少なく小粒で、サクッと組み立てられる。

 流し込み接着剤(速乾)が滴らないようにして合わせ目を撫でてやる。パーツの合いが良く、合わせ目はほとんど目立たない。気持ちいい。

 そしてこの個性的なキャラデザですよ。サメのようなフウセンウナギのような流線型ボディの横っ面に、包丁でパックリ捌いたようなミゾが面白いデザイン。スケールモデルの艦船のような渋さでは無く、キャッチーなキャラクターモデル的カッコよさがあります。

▲露出配管はロマンだよね。

 ピンセットでしか掴めないほど小さいパーツの接着。これが意外と楽しいのです。パイプの両側がねじれた角度の断面で、流線型のボディとミゾの中にポコン!っと合わさります。そこに流し込み接着剤をほんの少しツーっと流してやれば、カンペキに施工完了。やっぱり気持ちいい。精度の良いプラモデルの接着は一種のアトラクションだと思うのですね。

▲1時間ちょいちょいで完成。あら素敵!

 初めてカタチを拝む物体ですが、とてもカッコいいんじゃないでしょうか。バタ足する怪奇生物が卵(機雷らしい)をポコポコ落っことして行くようなユニークなシルエット。シューティングゲームの3面あたりで出てきそう。部位破壊しながら倒すやつね。

▲下から覗き込むと見える主機の彫刻もたまらんね!

 ぬらっとした外装の下に、吊り下がったメカメカしい塊がいいですね。宇宙だね。スペース·サブマリン音頭だね。

▲謎メカなので、何も考えず好きなカラーリングで塗って遊ぶことができました。大満足です。

 見知らぬプラモデル、宇宙の潜水艦「伊四百」は、いつの間にか大人になり、プラモデルを1個作るにも雁字搦めになりがちな私に、「シンプルにプラモデルを作る」という遊びを、歓びを、サルベージしてくれました。よく知らないプラモデルほど、純粋に楽しめるってのはありそうですね。

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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