最近の戦車模型の新製品は、結構な確率でフルインテリアモデルが増えてるんですよね。車種も多様で、第二次世界大戦中の戦車だけではなく現用の戦車や装甲車なんかも中身がギッチリ詰まった模型がたくさん出てます。
その先駆者というわけではないのですが、ウクライナのミニアートなんかは比較的早い段階からフルインテリアモデルをラインナップしており、それらも生産された年代や使われた国で細かくバリエーション展開をしているのが特徴。中には「えっこの戦車ってこんなバリエーションあったんだ」って驚くようなモノもあったりするのです。いやマジで。
まあその反面、組み立てるのはなかなか苦労するキットも多く、インテリアが入っていないバージョンのキットもあるにはあります。ただ、設計段階ではインテリア組み込むことが前提のキットなので結果なかなか苦労する。それでもミニアートのインテリアキットをちょっとだけでも体験してみたいなーって人にはこのキットがオススメなのです。エンジンだけの模型。
今回紹介するのはV-55エンジン単体のキット。
このエンジンはロシア戦車に脈々と受け継がれていく4ストロークV型12気筒液冷ディーゼルエンジンで、ミニアートのキットだとT-55系列のフルインテリアキットに付属してるやつです。ミニアートはこの戦車も把握しきれないぐらいのバリエーションを展開しており、このエンジン以外にも転輪のみや履帯のみなどの別売りパーツキットもラインナップされてます。なぜか「フルインテリアキットに付属してないトランスミッションのキット」なんてのもあるのだ。おもしろい。
組みあがるとコンパクトなカタチに感心します。
パーツ割りは先に触れたとおりバラバラなんですが、無心で組むんだったら30分ぐらいで組めるんじゃなかろうか。……もっとも、マジメに作ろうと思うとそれなりに細かく塗り分けしなきゃならんので塗りながら組み立てるのが吉かもしれないですな。それでもこうしてブワーって組み立てて、なんだったらメタリックグレイ一色に塗ってざーってスミ入れするだけでも「ほらほらエンジンのプラモデルだよ!」って楽しめるんじゃないかなーと思うんですよね。
そもそもこのキット、「何かに組み込む事を想定したキット」ではなく「組み込む設計で作られたキットから別売りしてるキット」なのでわざわざミニアートのT-55にこのキットのエンジンを組み込むこともないんですよね。それをやりたければフルインテリアのキット買えばいいんだから。かといってタミヤのT-55(もちろん中身は再現されていません)に組み込もうと思うと隔壁やらなんやら作ることになるので本末転倒という……。つまり、どう考えてもこれは「単品で楽しむキット」なのです。なんならカーモデルに組み込むのも面白いかもしれないぞ!1/35の乗用車がないのでハードル高めだけどね!
さて。このキットには銅線が付属しているんですよ(2枚目の画像参照)。組みあがってニヤニヤしながらお酒飲んでると思い出すやつ。説明書見るとどこにどう取り回すのか書いてあるので、それにそってピンバイスで穴開けて銅線切って瞬着で付けて……いや、いきなりハードル上がるじゃん!
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。