ライターの得意技だけでは無く、ライターの初挑戦も読める!! 「モデルアート エアブラシの性能を隅々まで使い尽くす奥義と裏技総ざらい」

▲エアブラシの総ざらい!? ボリューム満点だぞ

 5月18日、モデルアート社から『エアブラシの性能を隅々まで使い尽くす奥義と裏技総ざらい』が発売になりました! 

 私けんたろうはこのなかでティーガー1戦車に”プリシェード”と呼ばれる、先にモノクロ階調でグラデーションをかけておき、そこから3色迷彩をかけるという塗装テクニックを使った作例を担当しています。ということで、本の中身の紹介と自戦記をちょっと書かせてください。

▲タミヤMMにとっての金字塔。ガンプラでいう「MGガンダム」。リニューアルされ多くの人を戦車模型の魅力に引き戻したタイガーI(後期生産型)。このキットを使ってプリシェード塗装に挑戦しました
▲最近HJ本誌やHJの別冊でも「エアブラシ塗装」について書くことがあり、そのようなタイミングで色々と思うことや発見がありました

 この本に限らず、最近エアブラシ関連の仕事が続いていて、様々な人と情報を交換したり、自分でも実験をしたりして、少なからずエアブラシに対するピントが合ってきた感覚がありました。おもにホビージャパン本誌や『ガンプラが絶対にうまくなる10の制作テクニック』にも掲載されていますが、コンプレッサーからの空気圧、塗料のうすめ具合、そしてエアブラシとの距離など、具体的な数値をともなって書くことができるようになってきたのです。

▲ええええ! 夏休みの自由研究じゃん。けんちゃんすごいよ。けんちゃんが具体的に書けるようになってきたというもの納得。このような結果が雑誌記事にまとめられるんですね
▲こちらは総ざらいのページ。ほぼそのまま誌面になっている!? そしてティーガーIはどこいったの?


 さらに空気圧や濃度のチェックをします。プラ板に要素を変えながら吹き付けて、何が起こるかをチェックしました。金属の定規を握りながらエアブラシとプラ板の距離を測りながら吹いたり、濃度を変えるために何度もエアブラシを洗ったり、いろいろ大変なことはありましたが、ここまでやる価値が絶対にある、と思って……。そしてこの時、まだティーガーには何も作業が入っていませんでした……。

▲プリシェード塗装とは、下地にプライマー色を施してその上から基本色、その後に迷彩色を吹いていきます。下地色を活かすのに、上塗りする塗料の色数が多いというなんだか矛盾しているような表現なのです

 自分自身この塗装法はほとんど経験がなく、まさに実験です! ですので、この塗装の難しいと思えるところやポイントなどを洗い出してからチャレンジしたので、僕のように初めてこの塗装方法をやってみる人にとって参考になると思います!

▲ええええええええ? IV号戦車をまるっとカラースプーンにするの!? けんちゃんすげぇよ

 この塗装を記事にするために色々と要素を切り分けて考えてみました。その一部をご紹介します。プリシェード塗装は「下地」を活かすので、下地によってどんなふうに上塗りした塗料が変化するのか、戦車の各面でどんなふうに見えるのかというの頭の中にインプットしたくて、スプーンでは無く「戦車」を塗ってイメージしようと思いました。ダークイエローがどれぐらい下地の影響で変化するかの実験です。黒、グレー、白の3つの4号戦車を用意します。

▲これ全部同じダークイエローなんですよ。下地が違うだけで全く変わる。これを知ると塗装がさらに面白くなりますよ

 同じ塗料を上塗りしているとは思えません。そのくらい下地の色には影響力があります。この上にダークグリーンやレッドブラウンが乗ってどんどん色が沈んでいきます。黒、白、グレーの下地で基本のダークイエローがどんな色になるのかを自分の中でイメージできたので、この後の迷彩色のコントロールも自信を持って挑めました。

▲その結果はぜひ誌面を読んで欲しいです!
▲定番の使用方法から、芸コマなテクまで膨大な量のエアブラシテクが掲載されてます。三角コーン状にした自作ノズル!? めっちゃ真似したい


 本が届いた時、他のモデラー氏が製作した部分でも面白い目からウロコなテクニックがあったり、スケールの主要ジャンルを押さえたものが並んでいて、参加した僕自身も総ざらいの名に恥じないものができたと思っています。

▲筆に含ませてた塗料をエアブラシの空気で吹き飛ばすけんたろうが大好きな技「筆ぶしゅ」も掲載!


 エアブラシは吹けていれば正解ではありますが、より詳細を詰めたいとか自分の中でもやもやしていることがある人にはぜひ一度手にとって見てほしいです。自分が現在持ち合わせているエアブラシの情報やテクニックはほぼすべてこの本に置きました。汚しで”筆ぶしゅ”も登場していますので、本当にすべてですよ。

けんたろう
けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。