怖いと不思議が交差する精密世界/RODEN製の飛行機プラモデル。

 アラビア語は右から左に読むようで、試しにiPhoneでアラビア語をネット上で適当にコピペしてTwitterに投稿してみると画面の右端にピタッとくっつき、いつもの日本語投稿とは違う様子を見れる。

 アラビア語での入力を日常的に行っていると日本語入力の設定に影響があるのか、入力中にカーソルの位置が右から左に飛んだりして入力に少し支障をきたすときがあってちょっと面白い。同じ言葉なのに読む方向が違ったり、見た目からはなんて読むのかはおろか、どう書くのかもわからない言葉、アラビア語。

 RODENのプラモデルはそんな不思議が箱から溢れ出てる。どう見ても日本のプラモデルとは異なるオーラで買うのが怖い。「これを俺は作り切れるのか?」といつも思う。箱絵もなんだか味があるし、「現地の食べ物」という感じがする。とにかく買うのが怖いのだ。しかも調べると、難しいという。ますます怖い。でも、買う。怖いと思いながらもいつも気にしているのだから。

 作っててよくわかったのは、世界には(プラモデルのなかにも)いろいろなプラモデルがあるということだ。この飛行機は細かいパーツの描画精度が高くて、素晴らしさがぎゅっと詰まっている。これが調子良く合わされば良いのだけど、バリを取ったりだとか、説明書の先を読んで後の工程を見通す必要がある。隙間ができてしまうのでパテで埋めたい人も居ると思う。

 ただ、細かなパーツを繊細に合わせていく作業はとても楽しい。小さかったり細かったりするパーツを組ませる魅力。これを裏返すと「RODENは難しい」になりそうだけど、乗りこなせる部分だけ乗りこなすとかなり楽しい。1ミリにも満たないピンとダボを信用しながら複葉機独特の翼を二重にする作業が「マジ?」と言いたくなるくらい気持ちの良い精度で決まる感じからすると、「作らせる気持ち」がちゃんとあるからだ。

 日本語を左から読むような「いつもの感覚」から離れるプラモデル。RODENの魅力は私にはそう写る。キケンな匂いのするパッケージをとりあえず手にして大変にならない程度の完成を目指すと、その味がじんわりと形になる喜びを味わえると思う。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。