女王陛下に忠誠を誓っちゃう!英国戦艦のプラモが絶対に欲しくなる艦船模型スペシャル最新号。

 ついさっき、英国最新鋭の空母「クイーン・エリザベス」がポーツマスの港を出港しました。地中海、インド洋、南シナ海などを航海し、訪問する40カ国のなかには日本も入っているとのこと。いやあ、空母と言えばアメリカ合衆国のもんだと思って見ていると、この滑走路がジャンプ台になっている空母のカタチ(あと艦橋が2つあるのとか)、すごく新鮮です。

 そもそもイギリス海軍ってエモいんですよね。このクイーン・エリザベス、イギリス海軍の旗艦を務めているわけですがそのまえは揚陸艦アルビオンが旗艦だったとか、クイーン・エリザベス級空母の2番艦の名前はプリンス・オブ・ウェールズだとか。そもそも存命の女王陛下の名前を冠している空母がブリブリの最新鋭だし、なんなら海軍の艦艇はすべてHMSという接頭辞が付きます。Her Majesty’s Ship……つまり、「女王陛下の船」と呼ばなければいけないというのがかっこよすぎる。

 ということでただいま発売中の『艦船模型スペシャル』最新号はHMSだらけの英国祭り。世界各国のメーカーがこぞって製品化している英国海軍の戦艦をこれでもかとまとめた内容で、普段よりも作例に割いているページ数が多いような気がする。なんせこんな特集はたまにしかできないでしょうから、入っている気合が違います。

 そしてドアタマに来る作例が戦艦の「クイーン・エリザベス」。いやいやそんなプラモ見たことないっすよ……とオレも思いましたが、白黒ページでめちゃめちゃキチンと解説してくれています。第二次世界大戦に参加した英国海軍戦艦は全部で20隻。うち半分が第一次大戦型だ、みたいなことを覚えると「なるほどだいたい1/700のウォーターラインシリーズのプラモで見たことあるやつだぞ!」となってきます。

 さらにどの戦艦がどこでどんな活躍をしたのかを知ると俄然興味の度合いが増してきます。地中海でのドンパチに始まり、太平洋、大西洋、北極海で繰り広げられ、それぞれの結末は印象的なものばかり。艦これをきっかけに日本の戦艦の名前を全部覚えちゃった人でも、この艦船模型スペシャルが手元にあれば英国海軍の戦艦にもバッチリ詳しくなれますというかこの一冊を読み込めばOKっていうレベルに仕上がっているので保存版ですねホント。

▲フライホークというメーカーの艦船模型は細かすぎてすごい、とか
▲そういえば金剛は英国生まれだったね、とか。

 さらに必読なのがスター・ウォーズのプロップ(撮影用小道具)を解析することで世界に知られる研究家、鷲見博氏による空母「笠置」の解析。様々な資料をもとに実物の形状を追い求めるその姿は先日紹介した『城郭模型紀行』と同様、読んでいるだけで(笠置のプラモはそもそも売っていないので……)めちゃ楽しい。ただただ杓子定規な考証に終始するのではなく、「空母の美」というのがどこにあるのかを言語化しようとする試みは冒頭で紹介したクイーン・エリザベスの姿を見る我々の眼にも語りかけてくるようで、エモいのだ。

 ということで艦船模型スペシャル最新号、ワタシ的には1軍の本棚に収蔵決定のナイスな参考書として大推薦です。これから少しずつ暑くなる季節ではありますが、おやつを用意して熱い紅茶を飲みながらじっくりと読み込めば「うわー、これは作りたいわ!」と模型店の棚を探したくなること間違いなし。みなさんも、手にとるように。そんじゃまた。

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。