
シールやステッカーを貼るのは楽しい。子供はポケモンパンのシールを壁にペタペタ貼る。女子高生はプリクラを手帳にモリモリ貼る。バンドマンはエフェクターボードにバックステージパスをベタベタ貼るし、大学生はMacBookにイケてる風デザインのステッカーをガチャガチャ貼る。AKIRAの金田はバイクに成田山のステッカーなどをやたらめったら貼るし、トラックドライバーはリヤドアに「手積みだヨ!全員集合」のステッカーをポンと貼る。

ちょっと前に組み立てた痛車のプラモデル。楽しく充実した記憶がフラッシュバックした。また”デカいデカール”を貼りたい……デカールだけに。尋常では無いセリフが飛び出るぐらいに、体は闘争(デカール)を求めていた。落ち着け。とにかく買い物だ。



素晴らしい内容。でもね、私は今すぐデカールを貼りたいんですよ。今日です。土曜日、仕事から帰ってきて飯を食って風呂に入って茨城は夜の9時。リオデジャネイロは朝の9時。そうだ。こないだnippperで見た「簡フ2.0」に倣って、組立て前にデカールを貼ってもいいんじゃないだろうか。カーモデルでも出来るか試しにやってみよう。



溢れ出すパワーで、デカールを次々に破壊。もしかしたらのもしかしたらだが、私が不器用なだけという可能性も捨てきれない。デカールの上から軟化剤を塗布して綿棒などでコロコロ馴染ませようとして破壊。軟化剤を使わずとも、綿棒をコロコロするだけで何回か破壊。あげく、貼れたからといって油断して半乾きのデカールを触って破壊……。破壊神か。
「薄くてリアルで綺麗な仕上がりになるデカール」であることと、「丈夫なデカール」であることはトレードオフであるようです。前回はたまたま上手くいっただけ。しかし、組立や塗装をやる前に失敗を経験できて良かったです。むしろ楽しい。私は魔界村やダークソウルなどの死にゲーが大好きなのです。それに麻雀だって初めから強い人なんて存在しません。放銃して、放銃して、ルールを覚えて強くなっていくものです。それでも楽しいんだから。
逆に、ここまで失敗したお陰でいろんなことを試すことが出来たので、私に合った攻略法が見つかりました。



水分とノリを含んだ筆はコップの水で洗い、キッチンペーパーなどで拭き取りながら、これを繰り返します。そう、筆です。私の相棒は使い古した「筆」だったのです。綿棒でしごくと破けることが多かったのですが、筆ならばまず破れることなく、細かいミゾにもデカールを押し付けることができました。
マークセッターに含まれる軟化剤だけでも、カーモデルには効き目十分のようです。マークソフターやマークフィットなど、軟化専用のマテリアルは形状に追従しきれないところだけ、これも綿棒ではなく、筆で塗布して馴染ませると面白いぐらいにうまくいきます。


今、夜の12時。満足です。Mobilの「O」の中に、ポルシェのエンブレムを貼るのが一番興奮しましたね。
やっぱり大きなデカールを貼るのは気持ちよかったです。新雪に足跡を付ける爽快さ。牛タンの特上を1枚ずつ丁寧に焼いて味わう快楽。手描き不可能な小さなデザインがあしらわれることで、解像感がブーストされ、模型がより模型らしくなる気がするのです。

デカールをボディに貼るだけの遊び。失敗ありきで、デカール盛りだくさんのカーモデルをチョイスする。贅沢な遊びではないでしょうか。全部うまく貼れれば、ちゃんと組み立ててもいいですしね。ガッカリしない。上手くなる。良いことしかないですね。またやろう。