箱絵にいないアニキに教わる1/32フィギュアの個性

 他人に向けて「誰ですか?」と尋ねることもだいぶ無くなった。スマートフォンの電話の通知には名前が出るし、知らない番号なら出なければいい。出る方も掛ける方もそんな調子だし、なんかもうそういう時代。「失礼ですが、どなたですか?」と聞くシチュエーションでの警戒心はかなり高い。

 マスターボックス製の1/32 エースパイロットセット。箱絵をパッと見て判断したらいちばんエリートの雰囲気を醸し出している「犬と一緒のミスター」はなんと箱の中にいない。犬もいない。居ない代わりに別の人がいる。誰?

 ……というわけで、私は久しぶりに「誰ですか?」と尋ねることになった。人ではなく、プラモデルではあるが。ここから先は私の印象で話すけど、この大柄の男性かなりヤリ手な気がする。そして大柄だという通りでデカいのだ。横にデカい。あと、このファーがモッサモサしたジャケットといかにも強そうで威圧的な雰囲気、お前!アメリカ軍だろ(よく知らないので後で調べます)! 

 犬を連れたジェントルの代わりにいるせいもあってこの大柄なブラザーは、なんだか私がボサっとしてるとレジの行列にヒョイっと割り込んできそうな雰囲気がある。1人1本の飲み物とかも余分にもらっていきそう。そして、まさに箱にジェントルを押し退けて割り込んできてるわけだが、一方でたくさんの仲間がいそうな気がする。気のいい、憎めないやつ。ドラえもんのジャイアン、マリオのクッパ。そんな感じ。

 なんて話ができるのは、大勢の中の誰かではなく特定の1人を形にしたプラモデルだからでしょう。

 1/35よりも少しだけ大きい彼らは、表情やポーズの演出から発せられる個性が1/32の世界に凝縮された賑やかな心の友だと思うのです。

 ……っていうか、散々言っておいてあれですが、この人まさか服装が違うだけで同一人物だったりします? いや、違うよなぁ……。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。