四連装の機関砲が9角形の装甲にすっぽりと収まった独特な砲塔。娘の大好物である”カボチャ”に見えてしまって格好いいのに可愛らしいこのユニークな戦車に強く惹かれました!!
『タミヤ 1/48 ドイツIV号対空戦車ヴィルベルヴィント』僕の記念すべき初めての戦車模型に決定です!!強いのかな!?
このキットのシャーシはダイキャスト製。ダイキャストの冷たさ、硬さ、重さが手から脳へと伝わる。1/48スケールというコンパクトな模型だけど、この重さや硬さがこいつは戦車模型なんだ!と大いに盛り上げてくれるんですね。
ランナーを見てもパーツがどこに繋がっていくのか、組む前の僕には殆ど分かりません。だからこそ、精巧に作られたこれらを切り離してしまうのに少し勿体なさを感じます。もちろんそれでは一向に進まないのですが…。何だかもどかしかったのです。
切り貼りを繰り返す内に謎のプラスチックが、段々と知っている馴染みの姿へ変わっていきます。「僕はメカニックマンなんだ」すっかりその気になって、パーツを切り離す事を躊躇していたのが嘘のように黙々と手を動かしてしまいました。
「合わせ目もあるし、ここを今接着してしまうと後で面倒な事になるかもしれない…」大人の自分が警告を発します。しかし「それでも早く次のページ(工程)に進みたい…続きを知りたい」と幼い自分が今回は優勢です。たまにはそれも良いでしょう。きっと何とかなりますから。大丈夫!!
これまでに誰かが作った戦車の模型を幾度となく眺める事はありましたが、自分で作ってみて初めて搭載されているツール類(小物)の多さを知りました。小さな納得がカチカチとリズミカルに重って、夜をどんどん加速させます。
防空の要である”魔の四連装”『2 cm Flakvierling 38(38式4連装2cm対空砲)』の組み立てに関してはなかなか噛み応えがありました!サイズの小さいパーツの中に、可動ギミックもあり!でもこれらが組み上がってとても強力そうな対空砲が完成し、組み上がった際の”してやった感”は格別でした。
nippperではすっかりお馴染みのアニキ達ですが、わが家にお招きするのは今回が初めてです!くれぐれも粗相の無いように”おもてなし”をせねばならぬ。そう思っていたのですが…。
怒濤の勢いで詰まるディテール。4連砲に弾薬ケース、その他色々、アニキ達……。にしてもえらい密ですね。進めれば進めるほど苦笑いを浮かべてしまいました。史実を読んでも指揮官が同乗出来なかった事は何かと不便だったそうです。
説明書の流れに沿って切る、貼る、組む。作ったことのないジャンルだと、キャラクターモデルを通して模型に慣れていたと思っていた私も、この模型の当たり前のを繰り返しのなかで「おー出来た!」という瞬間が必ず訪れます。些細な苦労の末に得る穏やかな達成感。これこそ新たな扉を開けた瞬間なのかもしれません。ついに私も戦車模型の楽しさに足を踏み入れることができました。
繰り返し小さなパーツを貼り形になっていく体感を何度も味わって完成していく戦車模型。この達成感は僕にとって「娘の寝かし付け」の様です。娘にねだられるおやすみ前の絵本はいつも決まって『ノンタン』です。何度も繰り返される「ぱぱ、もぅいっかい 」。いつ眠ってくれるのかな?と思いながら繰り返し読み上げていると気がつけば、スースーと小さな寝息が聞こえてきます。娘の寝顔を見ながら、そっと頭を撫でてやって得る穏やかな達成感。言葉ひとつひとつのフレーズが娘をゆっくりと夢の中の『ノンタン』の世界に導いた様に、僕も小さなパーツをひとつひとつ繰り返し組んでいくことで戦車模型の世界に導かれていきました。同じ様な心地よさ。きっとこの先、新たな戦車模型を組む時にもこの達成感を体感し、さらにあの時の娘がずっと『ノンタンといっしょ』だったことを何度も思い出すと思います。