多数の模型誌で活躍するライター・けんたろうお兄さんとnippperのフミテシ とのタッグでお届けしている「ハセガワ1/72飛行機模型ピックアップ」。ハセガワの膨大なラインナップから、ひとつずつ箱を開けていきます!目指せコンプリート!今回はベテランキット「A-4E/F スカイホーク」をお届けしますよ!
短いノーズ、肩にかついだインテーク、胴体下の三角形の翼……ギュッと特徴を詰め込んだ、ちいさなジェット機、それがA-4、スカイホークです。
ハセガワの「1/72 A-4E/F スカイホーク」はさすがに歴戦の金型、さすがにくたびれている部分もありますが、それでも設計もシンプルで組みやすくなっています。3ランナーで見えるところに武装も揃っているところがすごいですね。武装満載!
翼は凹凸それぞれのモールドの使いかたが注目ですよ。スラットなどの動翼はいかにも動きそうな凹モールド、パネルは凸モールド。そして注目はポコポコと飛び出た部分の並ぶボーテックスジェネレーターです。これはわざと渦をつくることで、かえって空気をうまくコントロールするというパーツです。F1とかクルマでも使われるテクニックですね。
実機がそうなのですが、翼の上に胴体がデン! と乗っかります。そしてハセガワの刻印!
士の字の形になるまでマッハです!最高!!
背中のポッコリした部分はE型以降の装備で、アビオニクスハンプと呼ばれています。キャノピーのラインとともに胴体上部のラインがぴょんぴょんしているのがちょっとかわいく見えますね。
デカールは海軍のNAVY、海兵隊のMARINESの2種類あります。海兵隊のほうが長くA-4を使用しました。カラフルで派手な艦載機時代を象徴するような色数ですね。
A-4のAはAttack、アタックのAです。GroundAttackのAとも。主に地上を攻撃するための機体に名前がつきます。F-16を以前紹介しましたが、こちらのFはFighter、空対空を旨とするファイターのFですね。ということで、爆弾がたくさんついています。
このアタッカーというのを思う存分説明するのが武装です。通常の爆弾と懸架用のボムラックは当然としても、ミサイルが特徴的です。こちらはAGM-12、ブルパップ。空対地ミサイルで、まだまだ原初のシステムですが誘導というものに挑んだ兵装です。
現在でも南米では現役で、アメリカでは民間で飛ばしている会社もあります。そして日本だと厚木基地の内部に飾ってあります。基地でのイベントの際は会うことができますね。けっこう小さくて驚きますよ。
南米といえば、アルゼンチンでの機体が著名でしょう。フォークランド紛争のさなかの1982年5月25日、レーダーをかいくぐるために海面すれすれの飛行をしたA-4機が、まさに爆撃を受けた英国の艦艇から撮影されています。写真では水平線より低い位置を飛ぶA-4がはっきりと捉えられており、その独特のシルエットを映し出しています。A-4 Falklandsで調べるとすぐ出てきますよ。国を問わず、A-4のパイロットの気骨がどういうものだったかをよく示しているでしょう。
これでA-4が好きになったなら、ハセガワには1/48でもA-4がありますよ。さらになんと1/32まで。どれもいいキットなので、1/72で気に入ったら、ぜひ触ってください!
各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。