自分の塗りたい色を作る。『モデルアート』2020年12月号はズバリ「調色」特集です。

 模型屋さんに行くとわかるんですが、プラモ用の塗料ってメチャクチャな量の色数がありますよね。12色のクレパスで「うっひょ〜」って思っていた小学生の頃のことを考えると「なんでグレーだけでこんなに色数あんねん」と面食らうくらいの種類が棚に並んでいます。

 どうしてそういうことになっているかを真面目に考えると「本物はどんな色なのかわからん」ということと、「自分の欲しい色がどんな色だかわかんねぇ」というあたりに原因がありそうです。

 で、モデルアート最新号の特集はというと「調色で自分の好みの色が作れるバイブル」というわけではなく、わりとオーソドックスな塗装のお話が書かれているな、と感じました。

▲いわゆる調色の概念的な話は巻頭にまとまっています

 ひとくちに「調色」と言っても、色相/明度/彩度という3要素と色相環や減法混色の仕組みが分かっていないとうまくいきません。このへんは美大とかで真面目に勉強して専門家になる人がいるくらいの領域ですので、パラパラと雑誌を読んだくらいですんなりインストールされるもんでもありません。いきなり分かったらなんでも塗れちゃうもん。

 で、このモデルアートから何を学べばいいのかっちゅう話なのですが、「市販の塗料をベースにして自分のイメージと少し違うときにどう手を出せばいいのか」という観点で読むとある程度輪郭がはっきりしてくるのではないかと思います。

 レイトンハウスのブルーはそのものズバリを標榜した専用色がいろんなメーカーから売られていますが、自分で納得のできる色調を目指そうとすると何色かを混ぜて作り出す必要があります。そんなときにどう対処すべきなのか。

 メーカーからそのものズバリだという触れ込みで売られている塗料をプラモに塗ってみたらどうしても2色がパカパカして見えてしまう。そんなときにどう対処すべきなのか。

 正直明度とか彩度とか言われてもサクッとイメージできない人というのは多いと思います。なので、具体的な例をじっくりと読んで、自分の塗りたいものに当てはめていろいろと試行錯誤する。そこに近道があるとすれば理論を自分のものにできているかどうか……なのですが、まずはこの号を斜めにではなく、じっくりと読み込むことが重要なんじゃないかなと思います。

 個人的には柳井建二さんの海外キット攻略法が読み物として面白かったです。「たしかにそんな感じだな」と経験則的に覚えていることをこうして文字で整理されるとしっかりチェックしてミスなく臨めるようになりますね。

 ……ということで、モデルアート最新号の調色特集、「ビンから生で塗る」というのに少し違和感を感じていたあなたにこそ読んでもらいたい内容となっています。じっくり読んで、秋の夜長に自分の好きな色を作り出してみてください。

<em><a href="/author/kalapattar/">からぱた<br></a></em><a rel="noreferrer noopener" href="https://twitter.com/kalapattar" target="_blank">@kalapattar</a>
からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。