

プラモのモチーフがいままでの常識とちょっと違うときに、よく「誰得w」みたいなコメントが飛んで行くのを見たりするけど、そもそもプラモは「興味がない人には得なんてないし、好きな人はすっごく得した気分になるもの」だよね。
でも、たまに「興味なかったけど組んでみたらすっげえ得したわ!」という現象が起きるのがプラモの面白いところ。だから、なるべく食わず嫌いせずに、対象のいいところが見つかるかもなという期待を込めてプラモ買いたいっすね。
さて、今回は足場ですよ足場のプラモ。足場ってあの工事現場をぐるっと囲ってる鉄パイプと鉄板の集合体。よく見るけど、真面目にあれの構造とか考えたことないわ。で、たぶんPMOAの社長も足場に特段興味があったわけじゃないと思うんですよ。しかし同社のビルを改装する工事をしてて気づいたんでしょうね。「これ、プラモにしたらおもしろいんじゃないの!?」って。
結果からお伝えします。すっげえおもしろい。


足場というのは同じ形状のユニットをガシガシ組み上げて巨大な構造体となるわけですが、基本的なユニットをほぼ実物どおりの構成でパーツ化。スケールは1/64〜1/100くらいならだいたいOKという表記になっていますが、真面目に考えると1/80が近そうです。
で、これを組んでいくとまず精神が落ち着く。癒やしです癒やし。パーツ数は多いんですが、繊細なパーツをしっかりとくっつけていくと、着実に剛性のあるしっかりとした足場が立ち上がっていくんです。筋交いとか渡してある布板とかが歪みなく水平垂直にビシーッと組まれていくの、すっげえ楽しい。これはもう組んだ人にしかわからんから組むしかない。


ランナーは1800円で3枚入り。まあヘーベルハウスくらいの建物の半分も覆えないくらいの量ですが、ほしければガンガン買って組み合わせれば巨大ビルも建つというもの。プラモは量産してコストを下げる遊びですから、同じ形のものをいっぱい組み合わせるとすごいデカくなるみたいなモチーフと相性抜群。しかも「組み味が楽しい」というのは優勝ですね。よくぞこれをプラモにした!えらい!!

組み立てには接着剤があったほうが楽そうです。組む順番とか向きとかを案外考えないとキレイに組み上げられないんですが、そのへんも本職なら慣れたもんなんだろうなぁと想像しつつ向きを間違えないようアレコレ考えている時間すら愛おしい。一日中これを組んでいるバイトとかがあったら意外と人気出ると思います。


不思議なもんで、こうやって足場といろんなスケールのものを合わせて飾ってみると、足場の方に意識が持っていかれます。ガンダムの横にあると、足場がデカいんじゃなくてガンダムが小さいと思うように人間の脳はできている。知っているモノ、馴染みのあるものの方にスケールが揃う感じがします。
こちらの足場プラモ、現在予約受付中で12月発売予定。あなたの家のすべてのものを工事中に出来てしまうおっそろしい遊びができますので、多々買い推奨です。本当に「組んでいる時間がこんなに穏やかなプラモがあっただろうか……」というくらいゆったりと、気持ちの良いプロダクトですので本当に組んでみることをオススメします。
みなさんも、ぜひ。
(テストショット提供/ピーエムオフィスエー)