突然ですが、みなさんは模型店でプラモデルを買うぞ!と思ったとき、どのようにして購入するキットを選びますか? 通販ではなく模型店で、です。
私が好きでよくやるのが「店内を隅から隅まで歩き回って、気になるパッケージを探す」です。
お店に並んでいるプラモデルって基本的には箱に入っていますよね。最近では箱にも封がされて気軽に中身の確認ができないようになっているお店も多いです。そうなってくると我々は箱に描かれたイラストやサイドの完成見本写真、キット化にあたりメーカーがこだわったポイントなどの説明文を見て、レジへ運ぶか棚に戻すかを決めることが多くなってくるかと思います。
例えばガンプラをはじめとしたキャラクターモデル。
随伴機や戦闘中の敵機まで描かれることも多いですが、「主役=中に入っているキット」がハッキリと強調された分かりやすいパッケージになっています。箱のサイドを見ると多彩な武器を持った様々なポーズの写真が載っていて、完成させた後にどうやって飾るかといったところまで売り場で想像でき楽しくなってしまいますね。
次はスケールモデル。
先述のキャラクターモデルと比べると、主役だけが描かれた落ち着いたパッケージのものが多いですが背景や人間も描かれていたりして、そのマシンが生きているシーンが想像できるものも多いです。
そんな箱たちを手に取って眺め、「素敵なイラストだなぁ」「中身はどんなキットなんだろう」なんて考えながら、時間を忘れて模型店をウロウロするのが大好きです。
仕事を抜け出して模型店に来た私はこの日も棚に並んだ様々な箱を眺めていたのですが、偶然とあるキットを手に取り、その場から動けなくなってしまったのです。
いやいや、なんなんだこのキットは。パッケージに色々と盛り込みすぎだろ。もはやお子様ランチじゃん。
うぅ・・・中身が気になる。でも英語は苦手だし、海外製プラモデルのシュリンク包装って店員さんに言えば破ってまでして中身を確認させてもらえるのだろうか。箱のサイズは普通のアメプラ(アメリカ製のプラモデル)の1/25カーモデルと同じフォーマット。……ということはカーモデルになるのだろうか。いやいやだから奥で主張してくるゴジラは??
完全に相手のペースに乗せられてしまいました。きっとスマホで調べれば一瞬で答えは出るのでしょうが、それは野暮ってやつ。こういう時は素敵な出会いに感謝して、この箱をレジまで持っていきましょう。あ、溜まってるポイントぜんぶ使っちゃってください。
帰宅して、海外製プラモデルらしいシュリンク包装を破って開封してみることに。いったい何がどのように入っているのでしょうか。緊張の一瞬です。
よ、よかった~~~!この商品は一応プラモデルのようです。古さを感じるものの、細部まで再現されたジープの開きが出てきました。ですが、パッケージにいた兵士2名のパーツは見当たりません。お店から持ち帰ってくる間に逃げ出してしまったのでしょうか。
そして何より、パッケージで見たハズのゴジラのランナーも見当たりません。
あれは私の見間違いだったのでしょうか。もしや……と思い箱の底を見ると、そこにはパタパタと折りたたまれた何かが。
き、君はまさか・・・
厚紙に印刷されたゴジラくんが出てきました。そうきたか~。
GODZILLA=神(紙)とかけた高度なギャグの可能性も捨てきれません。みなさんもそろそろ、キットの箱に書かれた「CARDBOARD BACKDROP」の意味がやっと分かってきましたね? え、最初から分かってました?
こちらの模型、背景部分も全て紙で再現できるらしいです。親切!(?)ところで紙製の鉄塔は紙塔になるのでしょうか。模型というものは難しいですね。
というわけで、今回は私なりの模型店での楽しみ方で素敵な出会いがあったよという話でした。同じ模型店でも行くたびに新たな発見がありますし、見慣れたハズの商品棚の中にも度肝を抜かれるようなパッケージのプラモデルが、私たちに見つけてもらえるのを静かに待っているかもしれませんよ。