プラモで夏休み自由工作のすすめ。サイボーグハンドは組み立てる「夢」だ!

 今年の夏休み、工作が好きなすべての子供たちと子供の心を忘れない大人たちにオススメするプラモデルがあります。

▲エレキットから今年発売された「サイボーグハンド」です。

 まなべる・つくる・装着する・水圧式の「サイボーグハンド」(対象年齢10歳以上)とのこと。果たして、多くの子供たちが夢見る「強力で異形な機械仕掛けの腕」を装着するという願いを叶えてくれるのでしょうか。

▲開封。「これはサイボーグハンドです」とフォントが意識に直接語り掛けてくる。

 びっしりと詰め込まれた樹脂、樹脂、バネ、ホース、樹脂……どうやったら3000円台でこの量の樹脂を販売できるのか心配になるレベルです。くらくらする。幻かもしれない。

▲まず目に飛び込んでくるのが今回の主役、サイボーグハンドのシリンダー。

 爽やかな円筒状に抜かれた水色のクリアパーツはまるで夏のプールの様。このシリンダー同士をホースでつなぎ、水を入れ、片方のピストンで水を押し出すことで、もう片方のピストンに力を伝えることが出来ます。そう、「パスカルの原理」そのものに遊びながら触れることが出来るのです!

▲色鮮やかな大量の樹脂&樹脂……

 「実家に帰ると大量に出てくるお袋の料理」と同じくらいの樹脂を摂取することが出来ます。とはいってもひとつひとつのパーツが大きく「美味しい」ので組んでいてストレスは感じません。

▲マットな黒の握り手パーツその1は手のひらが当たる部分。
▲それにくっつけるツヤツヤの黄色い握り手パーツ2は露出する部分。まさに陰と陽のパーツが合体するロマン。
▲ダイヤルに抜かれたプラスとマイナスの記号を見るだけでワクワク。ランナータグのアルファベットや数字も大きく見やすい。
▲指の根本にあたる部分のパーツを裏返したところ。

 裏からしっかり補強板がこしらえてあるのがわかります。軽量化と強度を両立させるためにこうなっているんだ、という所にお子さんが気付けたら大したものです。褒めてあげましょう。難しいことわかっちゃうのね、アーシュラ!

▲ヌルっとしたデザインが心地よい指のパーツ。

 「重機動メカのザンザルブみたいだな」という感想をもらす私のような大人は子供に修正されてください。

▲ドカンとしたフレームがゴロっと入っています。

 これにパーツを徐々に取り付けていくことでサイボーグハンドが完成していく快感。是非味わってほしいのです……

▲説明書は子供に読ませることを前提にした非常に丁寧な作り。

 お子さんに作らせるなら、これが読めて理解できるようになってから一人で作らせてあげるのがよいかと思います。「説明書には大事な事が書いてある」という気づきも得られること請け合い。

▲組み立てに必要なのはこれだけ!ドライバーにもサイズがあるという常識を学べます。
▲まず、フレームに指の「骨」を組んでいきます。指の骨は手のひらの中にも入っているという人体の仕組みに簡易的に触れることも出来ます。

 この2つの同じ行為に違う意味が隠されている点(機能と意匠の関係性)も「デザインとは何か」を語り掛けてくるようです。



 モノづくりにおいて、意匠と頑丈さを両立させた「端部の処理」がきわめて大事だということが感覚でわかってきます。すごい。

▲指の1本がめちゃめちゃでかい……高い天井は気持ちがいいように、でかいおもちゃは脳をでかくします。
▲ランナーから切り離したパーツがオイルを塗るための治具になります。

 しかしこれがよく出来ていて、簡単にシリンダーとピストンをオイルを塗りながら組み上げていけます。組んでからのお楽しみです。

▲今回の工作のハイライト、水を入れたシリンダーと真空状態になったシリンダー同士をホースで繋げます。

 片方のシリンダーを押したり引っ張ることで、片方のシリンダーが連動してうごきます。これが「腱」の役割を果たします。人体でも前腕の筋肉が腱を押し出したり、引っ張ることで指が動くということを理解できるのです。学びが多すぎる。

▲いよいよ組みあがった指にシリンダーを装着すれば……
▲やった!!サイボーグハンド完成!!

 まるで「カッコイイ」という言葉をそのものを体現したようだ!パーツのひとつひとつが大きいので、無くすリスクも少ないですし、結構サクサク組みあがりました。(イデオンを見ながら2時間ぐらい)

▲3本の指の角度は上下左右に調整可能。銀河旋風ブライガーのようにすることも。
▲指はワキワキ動いて非常に楽しいです。いろんなものをつかんで遊べますよ。

 カタログスペックでは600gまで保持可能とのことですが、それ以上重たいものを持つと関節がクラッシュしたり、シリンダーが外れて水が噴き出すなどのトラブルが発生すると思われます。しかし、それもまたSFチックでかっこよくないでしょうか!?

▲公式動画では子供が楽しく遊んでいる姿を見られます。

 動画ではサイボーグハンドを使って遊ぶところにフォーカスされていますが、私は組み立てる工程にこそサイボーグハンドの本当の価値があるのではないかと思います。

 組み立てる途中のワクワク感もバツグンですが、モノづくりとはどのようなものなのか、動くモノを作るにはどのような部品を使ってどのように仕上げるのか……大人も子供も関係なく、様々な驚きと発見があるはずです。今回、拾いきれなかった面白いポイントもまだ沢山ありますし、人それぞれ違った発見があるでしょう。これは驚くべきポテンシャルを秘めた商品です。

 しかし、ここまで色々と考えさせられるのも実はこの強力なデザイン、ビジュアルあっての話です。「カッコいいものを作りたい、手に入れたい」という「夢」がすべての根本にあることに気付くハズです。

▲特にこの露出したホース、これは「ロマン」とか「ザクの動力パイプ」とか言われるものです。夢が詰まっています。

 大人も子供もまさに「夢中」になれるサイボーグハンド、夏休みを夏休みらしくする今夏イチオシのホビーです!こんな時期だからこそ、部屋の中でもアクティブに遊べる、とっても魅力的な選択肢だと思うのです。

 みなさんも、この夏の夢中なアクティビティを、ぜひ!

ハイパーアジア
ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。