ガンプラを時短で楽しく全塗装!/【スミ入れ!!の段】

▲前回、ランナーに付いたまま塗装したパーツを遂に切り出した。今回は「スミ入れ」して一気に組み立てるぞ!

 メカトロウィーゴの生みの親、モデリズムの小林和史氏によるガンプラの「#時短プラモ」の方法でフミテシが実際に「HGAC ウイングガンダム」を完成させる本企画。第4回目はパーツにスミ入れし、組み立てまで行きます!遂にウイングガンダムが大地に立ちます。

 

▲前回の記事はこちらからどうぞ!

 フミテシ  小林さん。こんにちは。ちょっと今回は僕がよく使用しているマテリアルと方法でスミ入れをしてみたいです。後ほど小林さんの方法も教えてください。

 小林 もちろんです。フミテシさんのやり方見せてください。

▲使用するのはGSIクレオスのウェザリングカラーと、ホビージャパンモデラーズのエナメル塗料です。塗料皿はnippperの記事でもご紹介した「DX薬味皿」です!

 ■フミテシ のスミ入れ

 ★GSIクレオスのMr.ウェザリングカラーと、エナメル塗料を併用

 ★スミ入れするときは、極力パーツをバラしておいて、割れにくい様にする

 ガンプラのスミ入れ時に一番気をつけているのが「パーツの割れ」です。これは接着剤を使用しないでパーツが組み合わさる「スナップフィット」のプラモによく起こる現象で、軸と軸受けのテンションがかかっている部分にスミ入れ塗料が浸透して「割れ」を引き起こします。これを防ぐにために、組み上げる前、もしくはパーツを極力バラした状態でスミ入れします。それではやってみましょう。

▲株式会社ホビージャパンのブランド、ホビージャパンモデラーズの塗料は、実際に模型雑誌「月刊ホビージャパン」のプロモデラーの方が、自身で調色して使っている塗料をガイアノーツ協力のもと再現して販売。模型誌で見たかっこいい色が瓶生で楽しめます!!ラッカーとエナメルがあります。こちらの写真はエナメル
▲そんな塗料の中で、僕がスミ入れ時にすごく気に入って使用しているのが、上で4本セットの写真で紹介した「アンダーアーマーカラーエナメルセット」に入っているブルーグレー。これ、ガンダムの白いパーツに流すとめっちゃかっこいいのでオススメです!
▲塗料にエナメル溶剤をスポイトで数滴加えて「スミ入れ」しやすい濃度に調整。塗料皿の端っこにさ〜って流れて溜まる濃度くらいが「スミ入れ」に向いています
▲筆先をディテール部分にちょんと置くと、ディテールに沿ってす〜っと流れていきます。塗装作業の中でも格別に気持ちの良い瞬間を楽しめるのも「スミ入れ」の良いところです
▲スミ入れ中、夢中になりすぎて筆を洗うのを忘れることがあります。筆に塗料だけが残ると、スミ入れの流れも悪くなりますよ
▲スミ入れした部分が乾いたら、エナメル溶剤を綿棒に含ませて、はみだし部分を拭き取ります。これでスミ入れはOK!ガイアノーツのエナメル塗料は乾きが早いので、スミ入れがサクサク進みます
▲ウェザリングカラーも使用方法は同じです。シェードブルーとマルチグレーを混ぜたものは青いパーツに自然な影を入れることができます。メリハリをくっきりさせたい時はブラックでも良いと思います
▲スミ入れが終了して、遂に組み上げ!!連載4回目にしてウイングガンダムが立ち上がりました!。ランナー塗装&スミ入れで自分だけの色味を出したガンプラが目の前に。嬉しい!

 ランナー塗装、スミ入れの次は、遂に仕上げに入っていきます。次回はリタッチ&細部塗装、デカール&トップコート!!ウイングガンダムはどの様な姿になるのでしょうか?連載最終回をお楽しみに!!

■今回の小林さんの #時短プラモ 紹介「HGUC Zガンダム」

▲ランナー塗装メインで仕上げられた「HGUC No.203 Zガンダム」

 フミテシ 小林さんのスミ入れ方法を教えてください。

 小林 スミ入れには油絵具を使っています。混色して好みのウォームグレーを作り、無臭ペトロールで薄めながらスミ入れします。エナメル塗料を使ってスミ入れをすると溶剤が浸透してプラが割れる事がありますが、僕は1992年くらいからこの手法で作り続けていて、一度も割れた事がありません。溶剤を最小限の使用にすればかなり安全だと思います!Zガンダムも下の写真のオリジンガンダムと同じ様な手法でスミ入れしています。

小林 フレーム部分や武器にはちょい暗く混色してスミ入れ。1時間半かけて全体にスミ入れをしたら、ティッシュの乾拭きで余分なはみ出しを拭いました。油絵具は乾燥が遅いので、 塗面が艶ありなら綿棒やティッシュにペトロールを付けなくても綺麗に取れます。凹みまで拭き取る恐れがある場合はもっと乾燥させてから。翌日でも乾拭きで大丈夫ですよ。パーツが割れる危険性も少なく、じっくりスミ入れ作業ができますので、ぜひ参考にしてください。

 次回、最終回。内容てんこ盛りでお届けします!!お楽しみに〜。

小林 和史/モデリズム
小林 和史/モデリズム

模型誌で活躍後、3DCG製作の仕事を開始。オリジナル企画「メカトロ中部」を展開し、デザインとその立体化を手がける。「メカトロウィーゴ」は複数のメーカーから製品化されるほど愛されるキャラクターに!玩具の商品原型やアニメ用3DCGモデリングも製作。ご依頼お待ちしております。

<a href="/author/fumiteshi/">フミテシ</a>/nippper.com 副編集長
フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。