素組みで遊んでもよし、塗装して遊んでもよし、プラモデルは寛大ですね。


特に素組み(ここでは「貼って完成!」のスタイルを指します)に関しては「癒やし」の効果が注目されつつあり、現代プラモ人の「塗装疲れ」「SNSでの作例疲れ」に対しての特効薬となり得る機運が高まっております。そして私はとにかく塗装するかどうかは素組の後の気分で決めるのであります。



素組みはいいね…リリンの生み(以下略)。美しい造形は人の脳内で色を補完させるのです。映画や小説などの、読者に考える余地を与えることで深みを増すテクニックと似ている。(TV版エヴァのラストを除く)
しかし、趣味には”春”が来るのと同じように”飽き”も来る。塗装に飽きれば素組みを楽しむようになるし、素組みに飽きればまた塗装をしたくなるものです。ガンダムをしこたま素組みした少年は、ガンダムマーカーで色を塗ってスミ入れしてみたくなるのが世の常。私としては部分塗装を始めたこの子供の頃がプラモデルを作っていて一番楽しかったという記憶があります。自分の中で補完していた色彩を意図して色を乗せることもまた楽しいのです。
さて、私は塗装の中でも筆塗り、特にドライブラシという技法を多用します。

物体の形状はエッジの反射(ハイライト)と面のグラデーションによっておおまかに表現することが可能です。これに対してドライブラシは抜群の威力を発揮します。そもそも色とは物体が反射して見に入ってきた光なのです。先日のクリスチさんの書いた記事を見るとよくわかります。これに触発されて私も「光」を塗装をしてみたくなってチャレンジしました。その過程をご覧あれ。


あまり水分が含まれていないプニプニの水性塗料が入っていて、びっくりするほどドライブラシがうまくいきます。ニオイも無いし、筆は水で洗えるし、良いことしかありません!他社の塗料に比べてちょっとお高めですが、その分の性能は充分にあります。スタバの期間限定フラペチーノよりは安い!筆はドライブラシ専用の筆を買うか、いらなくなった筆や安い筆をカットして硬めのドライブラシ専用筆を作ってもよし!ではさっそくチャレンジ。

そもそもドライブラシとはその名の通り、乾いた塗料をガサガサっとプラモにこすりつける技法です。まず、筆が完全に乾いた状態で、シタデルドライのプニプニした塗料をチョンチョンとブラシにつけ、キッチンペーパーで色がかすれるまで拭き取ろう。シタデル公式のHOW TO動画もYOUTUBEにあるので参考にしてみて下さい。



「二十三夜月の夜。男たちは僅かな月の明かりだけを頼りにジープを駆る。闇に紛れる為、ヘッドライトは消灯していた。遂に夜間奇襲作戦を決行するのであった。」といったシチュエーションをイメージしたのですが、果たして皆さんにもそう見えますかね?見えますよね!?(威圧)
……そして今回はプラモ2本立て。











ドライブラシは他にも色んなテクがあるので、それはまた別の機会に紹介しますね。とにかくサーフェイサーとドライブラシの組み合わせは簡単な上にアイデア次第で面白い効果が出せるので、皆さんも何かひらめいたらnippperのタグをつけて是非教えてください。
そして、そろそろ夏ですが塗装とSNSの作例に疲れてプラモの冬が来ているアナタ!とりあえず素組して元気が出てきたらサフ&ドライブラシで(酔っ払いながら)塗装がオススメであります。ユルいけどそこまでユルくない、あなたにとってちょうどいい塩梅はこれかもしれません。お試しあれ。冬来たりなば春遠からじ!

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