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ストリートライダーに教わる、完璧な彫刻のプラモは塗装が楽!の巻

 1/12のバイクを持ってもないのに買ってきました。「タミヤ 1/12 ストリートライダー」。昨今のタミヤのフィギュアは、実際の物を3Dスキャンしたデータをベースに、原型師が造形しているそうです。そのせいか、たたずまいがとても自然なプラモデルだな~とも感じました。
 ムカシの戦車模型では「車両が良く出来ていても、フィギュアがちょっと残念!」なんてことがありましたが、このレベルまでリアルな彫刻になると戦車もフィギュアもどっちも主役という感じ。ナマモノ的なものも、インジェクションキットで素晴らしいものがどんどん発売していくんだな~と感慨にふけります。その代わり、今までのプラモフィギュアの「モッサリした感」が無くなって、なんだかひとまわり小さく感じる……そんな感覚を覚えたりもします。
 さて、ストリートライダー。出来の良いナマモノフェイスは2種入ってるのですが、残念ながらこんなに良く出来ていても、どちらかは使用しない……もったいないね。

▲「服の縫い目をパーツの合わせ目にもってくる」というアイデアも、昔なら思いついても再現できなかったのでは? 接着したら合わせ目が衣服を象徴する縫い目に変化してしまって、まるで手品でも見ている気分

 いつも塗装は「うすめ液で薄めたMrカラーの塗り重ね」なのですが、今回ジーンズ部分に「ティターンズブルー」をシャバっと塗ったら、凹凸に沿って塗料が溜まったり流れて行ったりして、うまい具合に柔らかそうに見えました。そのあと、軽くもう1回だけ塗ってフィニッシュ!! 自分でも驚いたくらいお手軽に雰囲気が出てしまいました!(塗装後、仕上げにつや消しクリアーを上掛けしています。)

▲塗り重ねてもこれよりうまくならない気がした…。

 逆にジャケットは重ね塗りしました。顔も肌色を塗って、白目・黒目、唇、ヒゲ剃り跡を色味を変えながら塗って、ブラウン系でスミ入れ。なんだかあっという間に完成してしまったんです。肌とか衣服とかは柔らかそうに見えるようにいろいろ工夫して塗装、というのがセオリーだったはずですが、彫刻が完璧だとそこまでしなくてもちゃんと柔らかく見えるのね~。すごいな!

▲ポーズは二種入りなので、どっち作るか、かなり迷いました。(なので、もう1つ買いたい!)

 かっこいいハゲ頭も再現できるのでそこから発想で「イチロー」(野球選手じゃない方)風にします。人造人間なので頭部の合わせ目も消さずにスミ入れしたりして。ちゃんとしたバイク模型は無いけどイチローだったらこれがあるよ、というわけで自作「仁王像は赤く塗れ!」と共演!。
 では今からヘルメットをかぶって仁王と共にバイクプラモ、買ってきまーす。

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

同じプラモがダブったら、頭のネジをゆるめように好きな形に作って好きに塗る!

▲第二次世界大戦の各戦場で活躍した爆撃機「ノースアメリカン B-25J」。実はあの名作アニメ「戦闘メカ ザブングル」でも米軍のマーキングまで確認できる姿で活躍します

 実在の爆撃機「ノースアメリカン B-25J」。傑作ロボットアニメ『戦闘メカ ザブングル』にも登場します。このかっこよさに惹かれてハセガワの1/72 B-25のキットを作っていたら……「あれ、劇中に登場しているB-25と機首がなんか違う…あれれ??」と塗装中に気が付きました。ああ、何型かによって機首がちがうのね……(VF-1JとVF-1Aが違うみたいな)。悔しい! どうしてもあの機首が欲しかったので今度はちゃんと調べてB-25「J」を買ってきて機首のみコンバート! めでたく完成となったのでした!!

▲残ったパーツはどうしよう。そのまま箱にしまってしまうのも忍びない

 で、残ったH型をどうしよう……もう一機組むほどのマニアではないし、でもなんか楽しめないかな〜とランナーを眺めていたら閃きました。この機種の感じ、アレだよ「装甲ロボット兵 ラムダ」(宮崎ルパンに出てきたもの。飛行石のほうじゃないよ!)にしよう! ということでお気軽モデリング。頭のネジを少しゆるめて、資料もあえて見ずに「似てればOK」ぐらいの気分で作るのです。パーツが似てるからサクッと作ってみるというのが目的。マジメに再現しようと思うとそりゃ大変な労力で、いつ完成するのやら。だから子供の頃遊んだブロック遊び的にパーツを探して、似合いそうなパーツをバンバン接着していこうと思います。

▲それらしい形になってくるだけでテンションが上がってくる

 限りあるパーツで「太い胴体」を作るのに、あーでもない こーでもないと検討して胴体が出来たらもう完成したようなもの(ちょっと言い過ぎ)。スキマとかは気にしなーい。必要とあらば、パーツも切って、デザインに合った形にして使います。どうしてもここに使いたい(例えば尾翼を足先に使いたいなど)というパーツ以外は、強度を増すために接着したり、ディティール追加要員として適当な位置に貼ったりします。こういう荒っぽい工作には「アクリサンデー 接着剤」が強くて早くてオススメ。ガンガン作業が進みます。

▲頭部はプロペラを回したかったのでステンレス線で接続(息を吹きかけると回るのだ!)。それ以外は基本プラパーツのみの構成
▲缶スプレー塗装や筆塗りでガシガシ仕上げるのだ!!!

 塗装は以前nippperの記事でオデさんが紹介していたアサヒペンの缶スプレーを使用。一部梨地的に溶けたりしましたが、まぁ味、ということで。使用した色はブロンズ。さらにせっかくだからいつもやらないことを、と「タミヤエナメルのゴールドリーフ」でスミ入れしてみました。なんか金というよりサンド系でスミ入れした感じに……スミ入れに使ってみるといつものベタ塗りに使う時はとは違った色味に見えるものなのか〜と不思議な体験をしました。

 スミ入れを施したら、「手持ちのラッカー系の塗料を混色して作り出した黒いカッパー」みたいなので大げさにドライブラシ(筆先の塗料がカサカサな状態で擦るのではなく、塗料が筆に少し残った状態で筆をパーツに擦り付ける塗り方。今回はウエットブラシのようなやり方でやってみた)。これでだいぶ雰囲気が出ます。ドライブラシはお手軽に雰囲気が出て最高ですね。
 そして最後は金色でハゲチョロチッピング!「塗装が剥がれて中から金が!!! 実はゴールド製だったのだ!」 という派手な妄想を実現しようと思い、金色がとてもきれいな「ガンダムマーカー ゴールド」を出してみます。そうしたらなんと、古くなっていて(10年くらい使ってないかも)色がブロンズになっていたのでした……。これでチッピングするとゴールド製からブロンズ製という都落ち。なんだかメッキが剥がれたみたいな存在になりました。

▲頭や胴体の形、首のプロペラ、飛行時の翼とラムダの意匠としてまとめられたハセガワのB-25。ブロック遊び的な自由な発想で、元のモチーフとは大きくかけ離れたものが爆誕!

 金でスミ入れしてみたら思ったような輝きにならなかったり、ガンダムマーカーの金は劣化してブロンズになっていたりと、まぁ「今回はシックに行けよ」と模型の神様がおっしゃってるんだなと素直に思ってそのまま使用してみました。結果はご覧の通りな落ち着いた仕上がり。頭部は前後で2パターンの顔となります。
 毎回自分が思い描くような方向や、超絶仕上げを目指してると、時に「完成しない病」とかにうなさる恐れもあります。そうなって模型が完成しないのもちょっと残念。こんなふうに、ふとしたきっかけで余ってしまったプラモのパーツを切った貼ったしたりして、好きな形を作ってみたり、塗装に入ってなんだか上手くいかなくても、その流れに乗って気ままに作ってみるのも良い!手を動かすことは楽しいですし、完成するとやっぱり嬉しいです。息抜きモデリング、楽しいですよ!

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

あなたの人生を変えたプラモはなんですか?思い出の「1/100 トラッドイレブン」

 あなたの人生を変えたプラモはなんですか?……と、大きく出ましたが、私的にはコレ、バンダイ1/100「トラッド11(イレブン)タイプ」。時は1983年、それまで物心ついた頃から主にキャラクター(ロボット)を中心に戦車、戦艦、車(スーパーカー)のプラモをを作っていました。

 が、中学生になって今までに知ってたロボットのプラモデルとは別次元の大人なパッケージ、「ウォーカーマシン」と呼ばれるロボットというよりは作業機械的なデザイン、さらに箱を開けたら「リアル」なパーツが並んでいて何度も驚きました。

 お値段も当時は400円と手ごろだったので、3個買いました。あまりに衝撃的だったんで西友のオモチャ売り場だったことまで覚えてます。あの頃はいろんなところでプラモが買えたし、当時のオモチャ売り場の棚はプラモ率が高く、ホビージャパン別冊『HOW TO BUILD GUNDAM』にもここで出会ったんだな!

▲クリア風防やドラム缶等の小物やフィギュアも入ってて完成度、満足度の高い素晴らしい商品です

 もちろん白バックにイラストの入ったパッケージがタミヤMMシリーズのオマージュだ、っていうのはわかってたんですけど、それまでは戦車も「静的な白箱」よりは「動的な活躍想像図」のほうが子供ゴコロに刺さっていたのです。それが「白箱、大人だなあ~」と思い始めた頃にこのトラッド11白箱に出会ったもんだから、それまで組んでいた「単にスケール表記がついてるだけ」のロボじゃなくて、本当にスケールモデルなロボだ!という中学生的な頭脳でやられちゃったわけです。

 組み立て図に塗装指示がありますが、このシリーズは「ウォーカーマシンは特に決まった設定がありませんので自由に塗装して下さい。」なんて書いてあります。当時はどうしたらアニメに出てくるモノに近づけるか、という発想しかなかったので、これにはちょっと頭をハタかれた気分でした(「好きな色で塗れよ!」ってなかなか言われない世界だし)。

 そんな訳でザブングル沼(マッドシー)にどっぷりハマったワタクシはせっせとお小遣いをつぎ込み、(ときどき「えっ?」て言いながら)ウォーカーマシンを買ってゆくのでした。……というか、これを書いている今も作ってるわけですよ。ウォーカーマシンを。

 最近ザブングルシリーズのプラモが再販されましたが、いまだにパッと店頭から在庫がなくなってしまうのは高い人気がキープされている証拠。探せば出会えるかもしれませんから、模型店を探検してみましょう。

 これを読んでる皆さんの人生を変えたプラモ(しかも今買えるヤツね)もお聞きしたいです。何度か投稿していますが、写真や原稿の内容についても厚いサポート体制で、けっこうなんとかなるのでドシドシお願いします。という仲間のお誘いで今日はひとつ。

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

大人の余裕か?貧乏性か?/アクリサンデーのチカラで楽しむ「一箱で二度おいしいプラモデル大作戦」

 最近のプラモは出来がいい&楽! 工業製品としてものすごく良くできているので、昔のプラモしか知らない同世代に作ってほしいといつも思ってます。

 とくにバンダイスピリッツの「1/144 HG マジンガーZ(マジンガーZ INFINITY Ver.)」はフォルムが最高。初めは表面のスジスジが気になっていたんですが、デザインをいじらないとすれば、こうでもしなければアップグレードできないよなあ、と気づく。スナップフィットなので晩酌がわりに居間でパチ組み。完成したらそのまま飾ります。かっこいい~。

 しばらく堪能したら次は工作室にてバラして二回戦突入です。(チビっ子のころ、初登場時のインパクトにやられて以来グレートマジンガーのほうが好み。だけどマジンガーZのほうが再構成しやすいなあ、というわけでコチラを買ってきたわけです。)。

 このフォルムを生かせて、かつ少しだけ工作したらできるのは、アイツ、プラモ屋でしか出会えなかったヒーロー、「アトランジャー」! 当時いろんなパチモンロボだのなんだのがあった中で、こいつは特に何かに似ているわけではないというアオシマオリジナル」のロボット。メーカーが自社でオリジナルキャラクターを作って展開していたいい時代の産物です。いまもリニューアルしてすごいプラモが出ていますけどね。

 ざっくり言うと、頭部と胸さえ作ればアトランジャーに見えるはずだ。特徴的なマジンガーの頭をひっくり返して切り詰めて、なんとかマジンガーじゃない頭に。口の格子が縦ではなく横なのでここだけがんばって切り取り横向けに(ちっちぇ~……!そしていちばん大事なのはパーツをなくさないこと)。

 あとはパーツのある範囲で似てればOK。こういう時にいつも使うのがアクリル板用接着剤。後ろは瓶を板に接着したもの。よく瓶ごとひっくり返したので普段はこっちを使う。なんかさびしいからトロッコインディもいるぞ。

 アクリサンデーは溶かす力がものすごいので強引な組み付けには重宝します。「溶かす瞬間接着剤」な感じ。付属スポイトを使うと出すぎてえらいことになるのでいつも使い古しの極細面相筆でチョン、って(筆先も溶けてたりしますが)。

 あとは気になるとこだけエポパテで埋め、塗装。メタルブラック下地にメタリック各色をのせてゆくのが楽しい~。で、完成。

 「マジンガーが台無し!」と言われればそれまで。ですが二度楽しめるのでインフィニティズムにもアトランジャー、混ぜてやってください(あ、ホバーパイルダーはかわいいので記念に保管)。

 アトランジャー!GO!

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

電飾知識ゼロでもOK!今日から「光る模型」を我が物にしよう。

▲ぼおおおおーと銀河鉄道999。(昔なつかし、バンダイのイメージモデル)

 「電飾」っていいですよね、でもほとんどやってません……(最近唯一やったのはプロフィール写真の赤い仁王像のみ)。「昔のすぐ切れるムギ球」「配線ミスで一度も光らずパーにしたLED」とかがトラウマなのか?でも大丈夫。(たぶん)お手持ちの材料で電気知識やLEDがなくてもちゃんと光ってくれるのだ。

 それは蛍光塗料で塗装してUVライトを当ててやるだけ、というメソッド。模型誌で知ったんですけどね。

▲ずどびゅううううんーとアルカディア号も(ハセガワ製)

 最近はUVジェルだのレジンだの用に小さいLEDブラックライトが同梱されてたりするものもあります。試しに当ててみたらちゃんと光りました。蛍光塗料は思ったより光るので試してみると驚くはず。

 で、新しく買ってきましたバンダイスピリッツのビークルモデル「スーパースターデストロイヤー」。単品には書かれていないけど、スターデストロイヤーとのセットには「1/100000」とスケール表記が入っています。全長19kmの1/100000って、ほとんど地図の縮尺。帝国書院の地歴高等地図(どっちも帝国だ)で広島市と比べるとこんな感じ。でかいのう(たぶん広島弁)。

 これを光らせようと蛍光塗料で塗装。ノズルは蛍光ブルー(ガイアノーツ製)。上のちまちました構造物は蛍光イエロー、蛍光ピンク、蛍光オレンジ(いずれもGSIクレオス製)で気の向くままに。この3色はふき取りが大変だったのでスミ入れで使うときみたいにシャバシャバに薄めて塗るのがオススメです。ノズルまわりはエナメル塗料のグレーでスミ入れ。これは光らないのでよろしく頼む。

 で、暗い所でUVライトを当てますと、飛ぶ夜景!帝国の娯楽特化型スーパースターデストロイヤー「ラスベガス」(本当に!?)が就航。

 この方法は手間のわりには効果絶大、過去の作品にも蛍光塗料さえ塗ってやれば簡単に光るのがいいところ。とりあえず光らせてみるだけでもかなり楽しいです。まずはお手持ちのアイツの目から光らせてください。

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

プラモがハコから飛び出した!/「高荷調シーハリアー」を作る。

▲タミヤ 1/48 イギリス海軍 シーハリアーFRS1です。

 これは「髙荷義之氏の箱絵が最高!」という理由で買ったもの。内部の「ペガサスエンジン」(中二病に響く名称! 翼のある4本足=噴射口が4つあるというハリアーは、名前の通り天馬だったのね……)も再現されていたので「半分だけ塗装して、もう半分は無塗装カットモデルエンジンのみ塗装」にしようと進めてましたが、あまりに箱絵がカッコイイので髙荷調で塗ることにしました。

 というわけで箱絵に忠実に、を心がけてハイライトやら影やらも描きこんでゆきます。

 高荷氏のイラストを真似してみると、普段「きれいな塗面」を重視する方にこそ、ビャービャーと筆でタッチをつける楽しさを再認識いただけるのでは?(見本と同じように塗る「塗り絵」だと思えば普段より楽かも。)

▲荒いのではない!「髙荷タッチ」なのだ!(希望)

 なかなか一発で再現できないですが、気に入るまで重ね塗りすればなんとかなります。重ね塗りや筆ムラも気にしないで進めましょう、マーキングも手書きで(だってイラストも手書きなんだから)。多少ヨレても雰囲気が出ていれれば、つや消しクリアーコートが最後にカバーしてくれます。……むしろクリアーコートをかけたら見た目がちょっとおとなしくなったので、もっと荒いタッチでも良かったかもしんない。

 作っていくと機体の大きさが箱絵に近いということもわかったので、箱を背景として飾れるようにしました。ステンレスのハンガーを切って曲げて、箱に入る重し(鉛のインゴットがピッタリサイズ)に差し込みます。ハンガーの先はU字に曲げて、機体に差し込んだだけでもくるくる回らないようにしています。箱絵に穴を開けるのはかなり躊躇しましたが、角度的に見えなくなってほしいのでこうなりました。

▲飛び出る高荷イラスト!

 こうして自立する箱から飛び出すシーハリアーが完成するのでした。皆さんもお気に入りのプラモで「飛び出す箱絵」、いかがでしょうか?

 あ、完成してから「1/48傑作機シリーズでプロペラがモーターで回って、箱絵の背景だけついてる」商品(プロペラアクションシリーズ)があったような気が、と思い出した…。あれもいいよね……。

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。

ひとつのプラモに「やってみたい」をふたつブチ込む半分塗装の世界。

 プラモは組まずとも塗らずとも積んどくだけでも成立するという不思議なアイテムですが、私は「組み立て、塗装したい」派。とはいえ、たまにめんどくさいと感じる時もあります。そんな時は半分だけ色を塗ることにしています。手間が半分で楽ちんだし、成型色のままにした部分はキットの出来の「記録」でもあるのだ。

 「半分塗装」の時は、合わせ目も消さないので完成まで早くて楽しい(小さいころって買ってすぐ完成させて実に楽しかったですよね)。

▲タミヤ 1/35 マチルダ。旧キットです。

 無塗装(奥側半分)のところはGSIクレオスの「フィルタ・リキッド バイオレット」の実験。手前のマーキングはデカールが劣化していて貼れなさそうだったので筆でチョイチョイっと描きましたよ。

▲タミヤ 1/48 F-14トムキャット。 

 せっかくなので奥側の無塗装部分の一部はスターウォーズに出てきた「Aウイング」調でアクセント。武装チョイスは組み立て図を無視したお好みVer.としてあります。

▲タカラトミー 1/24 マーシードッグ

 中国の焼き物「唐三彩」が三色迷彩にしか見えなかったのでそれ風に。バリエーションキットだったので足なども好きなパーツを組み合わせています。もはや色もカタチもすべて非対称。子供作の花台?が転がってたのでベースに拝借しました。

 この半分塗装、「成型色からどれだけ実物に寄れるか」でも「雑誌のテクの実験」でも「今日はオフな模型作り」、「○○みたいに塗装」などなど、ひとつだけテーマを決めると、とっつきやすいです。

 たまには「あえてのちゃんと作らない」、やってみましょうよ。

馬渕 洋

52歳。年長フリーター、彫刻家、特殊工作人、BQ artist、邪道書家、から好きなものをお選び下さい。