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【レビュー】骨と心臓をもつ戦艦の進水式は、接着式プラモデルで実現する。/PLAMAX AAAヴンダー

 『エヴァQ』劇場公開から14年。マックスファクトリーより、PLAMAX AAAヴンダーが満を持して発売されました。待っていたよ、14年。しかし、その時間には意味があったように思います。その間にPLAMAXブランドが立ち上がり、様々なプロダクトが展開され、そこで培われてきたプラモデル力(ちから)が、今まさに超火力で繰り出されたように感じたのです。

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 その真髄は、接着式プラモデルであることの必然性です。プラスチックの靭性と溶着性が可能にする、繊細で丈夫な構造。パーツを重層的に組み上げるからこそできる、入り組んだ立体表現。ヴンダーの形そのものがプラモデルという形式と絶妙に噛み合っており、接着剤で組み立てるという行為が造形を成立させるためのカギとなっているのです。

 危ういほどシャープなパーツ群は、3DCGのカキンとした劇中イメージ的味わいもあるし、メカ(メカ?)が巨大であるほど相対的に端部はシャープになるわけで、プラスチックで形状を模す……という気概を感じます。
 そう、気概! 複雑な二重螺旋を竹割りにして極限までパーツ数を抑えた設計は、プラモデル的機能美そのものです。上下にはズレ防止のサポートが付いていて、サポートごと接着した後に切り離せるようになっています。

 大きな艦体に取り付ける、小さなピンセット必須のパーツが多く、なんとなく艦船プラモの組み心地です。こういった繊細な造形に強いのがプラモデルだよなと改めて実感します。しっかり接着剤を塗布して溶着させれば、指で少し押したぐらいでは壊れません。

 恐ろしく緻密な主機の配線は1本ずつ別パーツです。ここから更に白い螺旋パーツを絡めて、黄色い肋骨トラスを重ねて……と、どんどん造形のレイヤーが重なっていくのですが、この手順はバイクプラモがエンジンを組んでからその周りにエキゾーストやフレーム、カウルで囲っていく構造を思い出します。このあたりは塗装しながら接着しないと後で筆が入らないのですが、細かい作業の末に完成させてみると、過剰すぎる情報量に惚れ惚れします。

 機首(?)は骨のような、陶磁器のような、ぬるっとした曲面が3次元的に入り組んだ造形です。これは一発抜きの塊ではなく、白と赤茶の薄いパーツを5枚貼り合わせたものです。ダボとピンで局所的に固定するスナップキットと違い、細長い先端まで合わせ目全周を均一に密着させられるので、流し込み接着剤を使えばパーツに一体感が生まれます。

 ヤマトやホワイトベース、ゼラーナをはじめとした、四方八方から見てもシルエットが一発でわかるSF戦艦デザインの中でも突き抜けた存在のスリーエーヴンダーですが、プラモデルであればこそ、ここまで緻密に立体化し得たのではないでしょうか。

▲主機と艦橋だけ塗った状態がこちら。

 それにしても、どこをとっても既視感のないパーツ構成なのにあまりにもプラモデル的快楽の集合体だったもので、もしもタミヤがキャラクターモデルをつくったら。ガンプラが鋭利で接着式になったなら。ウォーハンマーが色分けプラモになったなら。なんて無数の幻覚がスターゲートを駆け抜ける光の奔流のように脳裏をかすめていきました。しかし、出来上がったのはもちろんAAAヴンダーです。もしもあの特異なデザインが、薄いプラスチックを重ね、接着していくうちに手に入ったなら。そんな夢が、14年の時を超えて現実になってくれたのです。

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ハイパーアジアのプロフィール

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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