
ついに待ちに待った瞬間が来ました。ファインモールドから完全新金型で発売された「1/72 F-104J スターファイター」。発売を心待ちにしていた僕は、手に入れた興奮そのままに、箱を開け、ニッパーを握り、一気にカタチにしました。


接着剤を使っただけの「無塗装素組み」ですが、このキット、組むだけで凄さが分かる傑作です。まずランナーを見て惚れ惚れするのが、ファインモールドのお家芸とも言える、キリッとした繊細なパネルラインとリベット表現です。F-104というシンプルな機体だからこそ、この精密な彫刻が猛烈に映えます。

そして、組み立てて最初に驚かされたのが、「空気の通り道」の再現です。インテークからエンジンノズルまで、機体を貫くダクトとエンジンが内部パーツとして用意されているのですが、これがただの内部再現ではありません。なんとこのインテークパーツが、主翼を支える強固な「土台」になっているのです。

これまでのF-104のキットといえば、主翼独特の下反角(下がった角度)を左右対称にビシッと決めるのが意外と難しく、モデラーの腕の見せ所でもありました。しかし、このキットは違います。インテークと一体化した差し込み口に主翼をパチリとハメるだけで、誰でも、確実に、正しい角度で主翼が固定されます。「誰が組んでも、最高にカッコいいF-104になる」。この設計には感動を通り越して感謝しかありません。

さらに僕らモデラーの心を鷲掴みにするのが、完成後のギミックです。なんと胴体後部が完成後も取り外し可能になっており、中のエンジンを鑑賞できる設計になっているのです!

また、コックピット後方の機器収納スペースも再現されており、カバーを「開状態」で組めば、メカニカルな内部をチラ見せすることも可能です。

最小限のパーツ数の中に、組み立てやすさと、精密さと、遊べるギミックがぎっしりと詰まっています。ファインモールドのF-104Jは、こんな夢のような素晴らしいキットでした。ぜひ手に入れて、皆さんのその目と手で、この「凄さ」を体感してください。