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バンダイスピリッツが贈る約40年ぶりの1:24スケールカーモデル「TOYOTA IMV オリジン」をガチンコレビュー!

 ジャパンモビリティショー2025のトヨタブースで披露されたコンセプトカー「IMVオリジン」は、荷台から剥き出しの操縦席が生えたような不思議な見た目をしている。アフリカ地域を主たるターゲットに据えたこのクルマは、未完成のまま出荷されるのが前提なのだとか。工場で土台となるフレームや駆動系を組み立てるにとどめ、最終的な用途に合わせて実際に使う人達がカスタマイズする。荷台を載せるのか、キャビンをくっつけるのかは用途次第。それならプラモデルがあったらおもしろいですね。あった。実物の横に。

 バンダイスピリッツがJMS2025のTOYOTAブースでプラモデルを配布しているらしい……というのはSNSで読んでいたが、人気沸騰大行列で到底ありつけないだろうと思っていた。しかし平日の閉場間近であったからか、組み立て体験コーナーを囲む巨大なランナー状の造作をまじまじと見ていたら「いまならすぐにご案内できます」とスタッフに声をかけられた。ラッキー。着座するなりパッケージを渡され組み立てスタート。

 再生プラスチックを使ったことを示す「エコプラ」の文字と通り一遍の注意書き。接着剤もニッパーも必要ないということは、ガンプラのエントリーグレードやポケプラクイック!でおなじみのタッチゲートでありましょう。フタの裏に組立説明書が印刷されていますから、そちらを参考に組み立ててくださいとのこと。ハコが大きめでパーツもそこまで多くないので説明書はすこぶる見やすかった。

 ランナー(パーツを収めたワク)は2枚。金型ひとつで作った1枚の成形品をパキッと2枚に割って箱詰めしたもので、ビニール袋に入っていないことに驚いてひとりで「お!」と声を出してしまった。スケールは1/24ということだが、軽トラック的なサイズなので乗用車よりもふたまわりほど小さい。色分けや可動ギミックのない単色のプラスチックだが、濃いめのグレーバイオレットのおかげで彫刻の陰影はくっきりして見える。

 パーツは見間違えようがないので一気呵成にガシャーっとパーツを外してずんずん組み立て。各部のハメ合わせは軽く、プラモデルに慣れている人ならばものの5分程で完成させられる内容。パーツを外したあとのランナー(=不要部分)の各所にも簡単に折れるよう切れ目が入っており、車体の各部に規則性を持って開けられた3mm穴に差し込めば自分なりにクルマの用途をカスタマイズできるという仕掛けだ。え、実車のコンセプトをプラモデルで理解させるのがうますぎなのでは……。

 完成させたモデルをスタッフに持ってもらったので大きさが把握できるでしょう。スケールは1/24ということだが、ゴルフカートに毛が生えた程度の大きさなので可愛らしいサイズ感。運転席を囲うフレーム前面のパーツだけは「こんなんで固定されるの!?」とちょっと面食らう設計だったが、それ以外は本当にガンプラライクな組み味で安心できる。こんなボリュームのものが無料配布されてるってやっぱりすごいよバンダイスピリッツ。

 「お時間があればこのプラモデルを使ったさまざまな作例があるので見ていってください」と声をかけられじっくりと見て回るが、どれもこれも熟練のモデラーが作ったと思しき素晴らしい作例(そう、言葉どおり「こんなふうに作ると楽しいですよ!」という例としての”作例”だ)であるため、「うわ、オレもなんかしなきゃ!」とモチベーションがMAXに。会場での位置取り、キットのコンセプト、組み立て空間の設計どれも満点。すばらしいプラモデル体験だ。

 バンダイスピリッツ(旧バンダイ)が放つ1/24のカーモデルとしてはBe-1なんかを発売していた時代からおよそ40年ぶりとなる「TOYOTA IMV オリジン」。こんなにリッチなプラモデルがあれだけ多くの人でごった返す巨大なショーのために作られ、多くの人がTOYOTAとプラモデルに触れる機会を提供していると思うと本当に頭が下がる。願わくば、ここではじめてプラモデルに出会った来場者のなかからひとりでも多くのモデラーが生まれんことを……。市販してくれ〜とは言わないけど、またこんな機会があるといいなぁと切に思うのでした。いや、満腹!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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