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【レビュー】キュートなグローグーと至高のメカチラのプラモデル/スター・ウォーズ マンダロリアン N1スターファイター

 バンダイスピリッツからひさびさに発売されたスター・ウォーズプラモデルの新作、N-1スターファイターです。ハコ開けるとネロネロに輝く銀色のパーツとド渋い焼鉄色のゴチャメカパーツが飛び出してきて気分がブチ上げ。やはりメタリックパーツは人の心を踊らせてくれます。1/48スケールという表記ですが実在する戦闘機と比べるとだいぶ小さいんだなキミ……。

 そしてこのキットの白眉はグローグーです。宇宙子連れ狼冒険活劇こと『マンダロリアン』に登場するヨーダと同じ種族の赤子(50歳)です。超可愛い。機体後部のガラスドームに収まった姿とマンドーに抱かれた姿の2ポーズがそれぞれワンパーツで表現されており、小指の爪くらいの大きさながらその愛くるしいフォルムが存分に表現されているのがわかります。袖と手の関係とか、良すぎるだろ……。このパーツのために買っていいよこのプラモ。

 そしてマンドーは「単品」と「グローグーを抱いた姿」の両方が楽しめるよう2体入り。片方のマンドーには腹部にグローグーを嵌め込むための穴が空いており、しっかりと両腕の間に乗せて宇宙を航行できます。『マンダロリアン』は私の息子が生まれる前に始まったドラマですが、いまではこの姿勢でメシを食べたりテレビを見たりするのが日常化しており、現実子連れ狼冒険活劇の楽しさとハードさをもってマンドーと心を同じくするわけです。

 プリクエル・トリロジーやクローン・ウォーズに登場したナブー・スターファイターを出自に持つN-1スターファイターですが、共和国滅亡後の世界で老朽化とレストアが施され、「見た目はボロだけど性能はピカイチ」というSWのオリジナル・トリロジー成分を味わえてしまうという超美味しい文脈こそが本機の見どころ。肉眼では追いきれないほど複雑で精緻なメカの彫刻が入れられた内部パーツは見ているだけでも興奮する仕上がり。バンダイのスター・ウォーズプラモはこうでなくっちゃ……。

 レンゲの上にミニラーメンを作って食べる人間を良しとするか否か……という問題は人類が滅亡するまで議論され続けるのでしょう。そしてここにもまた、宇宙駆けるレンゲの上にギチギチのディテールが入ったメカパーツが重層的に隙間なく詰め込まれた様子があり、スター・ウォーズの存在する世界で良かったなぁと思いを新たにするわけです。どういうわけでしょうか。

 こんな内部メカは共和国ありし日には流麗極まりない外装によって覆い隠されていたわけですが、マンドーが乗る機体は外板が穴だらけ&左右非対称なディテールでいわゆる「メカチラ」を存分に味わえます。とは言え内部メカのほとんどは見えなくなるのでそれをどう活かすかはユーザー次第といったところ。そうそう、コクピット後方の丸いところには先述したようにグローグーを乗せるか、あるいはR5ユニットを乗せるか選択式となっています。

 ひとつだけ問題があるとすると、これまでのバンダイスピリッツ製プラモの中でも最高レベルに光輝感の強いシルバーをプラスチック素材で表現するために、外板のパーツにはかなりの量のクリアープラスチック(透明でツヤのある表面を形成し、金属光沢を強調してくれるがとても硬い)が混ぜ込まれています。
 おかげでプラスチックの柔軟性が著しく低く、いちどバチンとパーツを組み付けると取り外しがきわめて困難になります。とくに胴体中央上下のパーツなどは無理に外そうとすると変形するより前にビシッとパーツが割れてしまいそうになるので、上下で挟み込むパーツを入れ忘れたり、セットの方向を間違えたりしないよう充分気をつけてください。

 ナブー・スターファイターのプラモデルと言うと古くはドイツレベルやファインモールド製のものがあったなぁ……とちょっと遠い目をしてしまうのですが、こうして(違う姿に姿になってはいますが)バンダイスピリッツ製のシャキシャキなモデルとしてふたたび世に送り出されたことに感慨を覚えます。
 美しさと無骨さを同居させたデザイン的なアイディアもさることながら、「まだバンダイスピリッツからスター・ウォーズ関連の新製品が発売されるんだ!」という嬉しみも合わせて非常に幸せな気分になれるN-1スターファイター。手に取れるうちにぜひともお買い求めください。そんじゃまた。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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