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プラスチック素材でジオラマを作りたい贅沢な気持ちに応えてくれる「プラストラクトの石壁」の話。

 台座や情景作りをどうするのかっていうのは、プラモデルを作る上でかなり悩ましい問題だ。なぜかというと専用の素材が初心者にはパッと見つけられず、雑誌や書籍で作例を見るとイチから作ると言わんばかりの加工や工作の連続。もしかするとプラモデル作り以上に手間や時間がかかるのでは……? なんて思うこともある。もともと台座込みでひとつの情景を作ろうと思っているときならまだしも、プラモデルを作った後に追加でやろうとすると、意気込んでみたはものの、いろいろ調べて行くうちに後ずさりしたくなるような作業だ。

 とはいうものの、工作手順の解説なんかもかなり優しいものが増えていて素人でも気軽に行いやすい土壌はできている。しかし、「そこじゃないんだ!」という気持ちがあるのも事実。”そこ”の正体はいくつかあると思うが、まずひとつは実際に手で触る素材の差異だろう。土を模した柔らかなペースト、葉っぱや石といった小さな粒の集まり。どれもこれもがプラモデルの素材とは違う性質なので、別競技をやるような感覚になる。プラモデルと同じ……とまでは言わなくても、似たような触感や加工性を持ってる方がプラモデル作りの延長線上に台座作りを捉えやすい。

 特に石畳や木の床などは元の素材が硬いのもあり、パテをこねてディテールを掘り込むという作業よりも、もともと硬さがある素材で縮小された世界を再現できると嬉しく感じる。画材屋の建築模型コーナーに行くと石壁と書かれた板を見つけることができた。これ、これなんだよ! と思うような質感でブレイクスルーの予感がかなりある。プラストラクトというメーカーのものでオレンジ色のタブが目印だ。サークルカッターで切るのもたやすそうな見た目に加工性の良さを感じて購入した。

 実際に切断してみると、一発で切るというよりもカッターの刃を何度も当てて削っていくような感じ。石壁のディテールは適度な凹凸感で、ドライブラシでエッジを強調するよりも部分的に明暗をつけていった方が自然だ。今回は石畳として使うことにしたが、パリッとした素材感はプラモデルによく馴染む。そういう意味ではどんなに塗装に凝ろうとプラスチックそのものが持つ風合いというのは滲み出るものだなと再認識することになった。

 面白いのはプラモデルを組み立てることと、ペーストや粘土を使う作業のちょうど間に存在するような作業感である点だ。どちらにも似ても似つかぬ作業は「これくらいできたんだから、ホースでも置いて地面を水浸しにするか」と思わせるくらいの高揚感があった。プラストラクトの石壁は全く別作業と感じるような台座作りやジオラマ作りとプラモデル製作にある、なんとも言えない間をつないでくれる良い製品だと思った。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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