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一瞬を切り取る企画マンの情熱を見た!/30MS ライディラの「専用ハンドパーツ」を褒めたいッ

 バンダイスピリッツの30MSシリーズ最新作、ライディラという女の子プラモにお店でひと目惚れしてしまいました。たまたま発売日に遭遇できたんだねぇ。クールな配色、ちょっと不敵な表情、いろんなところにベルトがたくさん付いたストリート系の衣装というデザインが単純に好みでジャケ買い。フルフェイスヘルメットやスケートボードも飾り方に華を添えてくれそう。なによりバイクのプラモと組み合わせるのにとても似合いそうなのがイイ。バイクの模型にプラモやフィギュアを乗せるのは楽しい。

 パッケージを開けると、ブーツやジャケットといったゴツめの外観を再現しなきゃいけないし装備もあるし……でけっこうパーツが多い。とはいえこれまでの30MSと同じく「無駄なく配置されたパーツによってきっちり動く女の子が完成する」というシステマティックな基本構成は踏襲されています。
 うーん、そんならまあ、このキットだけの特別なところはあくまで仕上がりの見た目だけかな……(それなら書くことはあんまりないな)と思っていたのですが、ふたつのハンドパーツに目を奪われました。ほんの少し曲げた親指、人差し指から薬指までは深く曲げて、小指は少し立てるそのニュアンス。そして曲げた指の内側には無骨な溝が彫られています。

 この独特な手の表情は「ヘルメットを持つ」という機能を実現するためなんすね。ライディラに付属するヘルメットはたった6パーツ構成なんだけど、オフロード用を思わせる形状をベースにしながら近未来的なエッジの立ったデザインとカラーリングがうまく表現されています。クリアーパーツが質感にアクセントを与えてくれるし、バイザーも簡単な仕組みで開閉できるのがおもしろい。後頭部を差し替えて専用の前髪パーツを取り付ければヘルメットを実際に着用できるという設計も秀逸なので、遊んでいてとっても楽しい。

 プラモデルにおけるフルフェイスヘルメットというのはなかなか難しい存在です。プラモデルの都合的に被っている状態ならまだしも「脱いだ状態はそのへんに転がしておくしかない」っちゅう場合も多い。しかしこのプラモデルではわざわざ専用の持ち手を用意して、ヘルメット後端部にカチリとハメ合わせることで「ダランと下げた腕でヘルメットを持っているポーズ」が表現できます。
 いまヘルメットを脱いだところのか、これから被るところなのか、どちらにせよ乗り物にライドする前のキリッとした空気orライドした後に訪れた束の間のリラックス……という状況を伝えるのにこれ以上うまい方法はなかなかないと思うんスよ。

 それぞれの指の曲がり具合も独特なので、ヘルメットを持たせるだけでなくスケートボードに乗った状態でこのハンドパーツを使うのもまた妙なり。手のパーツばかり褒めてしまいましたが、3種類の表情から選べるフェイスパーツのうち、繊細な彫刻と的確な塗装で再現された「歯を食いしばっている顔」も出色の出来だし、スケートボードやほかの装備を固定するのに便利な足裏の起倒式ピンなど、見どころは満載。発売直後の人気商品ゆえに店頭ではなかなか見かけなくなってしまいましたが、もし遭遇したら絶対に手に入れて、その随所に散りばめられた工夫を味わってもらいたいのです。絶対だぞ!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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