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2日でフィニッシュ!/ハセガワの新作カーモデル、R30スカイラインの過不足ない構成が嬉しかった話。

 どうも。普通免許が取れる歳のときにはすでにスカイラインがR34型だった私です。大学に入ってクルマ好きな先輩とああだこうだと話しているうちに「GT-Rだけがスカイラインじゃないんだ!」とか「R33とR32の見分けかた」とかを知って、そこからハコスカだケンメリだと耳年増になっていくわけですが、正直いちばん馴染みがないのがR30型とR31型のスカイライン。なんでだろう。いまどきあんまり見かけないからかな……。そしてそんな私にR30スカイラインをこれでもかとわからせに来るハセガワの新キットが到来。組めば覚える。組めば親しめる。組めばトモダチ。それがプラモデルのいいところ。

 調べてみると80年代前半にマジで日本中のあらゆるプラモデルメーカーが立体化していたR30スカイラインですが、このキットはおそらくその当時ぶりとなる完全新作プラモ。世相で言えば初代ファミコンからニンテンドーSwitch2ですからね。凄い跳躍ですよこれは。横にしか移動できなかったマリオが3D空間を縦横無尽に走り回れるようになったのと同じ程度にプラモデルも進化して、当然ながらバリバリにシャープで正確で組みやすい。

 R30スカイラインっちゅったら赤と黒のツートンで西部警察とかスーパーシルエットのやつでしょ、くらいの解像度しか持たない人間にとって、まずボディパーツが赤いのは本当にありがたい。もうこの時点で「下半分黒くすればなんとかなるやろ」という気持ちになれます。赤がちょっと透け気味なのが気になりますが、ドシッと重たい感じを出したければ赤い塗料でしっかりと覆いましょう。

 そして箱の中身をぐるりと見渡すと、最近のハセガワのカーモデルとしてはかなりパーツが少なく感じられます。おお、これならなんか組めそうな気がする。実際キャビンを組んでみたら「え、もう終わり!?」と思うくらい整理されたパーツ構成で、むしろ細かい塗り分けやデカールワークで実物感を演出していくスタイル。貼るのに神経を使うメッキパーツもミラーや灯火類、小さなエンブレム類などごくわずかに留まります。まあこのへんは実車がギラギラビカビカな装飾を削ぎ落としたものすごくスパルタンな外観なのもあるでしょう(窓周りのシルバーなところはマスキングテープを使って塗り分けよう)。

 そしてデカールとカット済みマスキングシートが付属しているんですが、これがどちらも本当によろしい。デカールはニスが印刷面のキワまでビシッと追い込まれいて余白が少なく、さらに下半分は番号が振られていない「ご自由に使ってくださいな」という内容。ナンバーも選び放題だしメッキパーツのエンブレムの代わりにデカール貼ってもOKだったり複雑なリアコンビネーションランプの塗り分けをスキップしてデカール貼るだけでも大丈夫だったりと至れり尽くせりでさまざまなスキルレベルの人に目配せしてくれています。

 カット済みマスキングシートは窓(フロントとリアは表裏の塗り分けラインに対応して2枚ずつ!)がキレイに仕上がるのが嬉しいし、リアコンビネーションランプの塗り分けもステップバイステップでこなせるよう工夫されています。説明書を読みながらマスキングシートを貼ったり剥がしたり塗ったり重ねたり……で実車らしい仕上がりが楽しめます。このマスキングシートが使いたくて、今回はデカールじゃなくて塗り分けで楽しみました。

 ボディの赤はプラスチックのまま。ボディサイドのラインに合わせてマスキングテープをビーッと貼って黒を塗り、あとはクリアーパーツの類とホイール、窓まわりを塗装して晩酌しながら2日でフィニッシュ。凹凸激しいマッチョなシルエットではなく、切れ味鋭いソリッドなデザインも確かに魅力的です。なんて余裕をコイて書けるのも、ハセガワのカーモデルがかなり洗練されたスタイルを獲得しつつあるからなのではないかと感じました。当然ながら「鉄仮面」の後期型とかレース仕様とか、もっとブッ飛んだカスタムとかも発売されるはずだと思いますが、どうなってもおそらく確実に完成させられるだろうな……という安心感がすばらしい。みなさんも、ぜひ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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