

アオシマの新作、「R35 NISSAN GT-R NISMO Special edition 2022」のパーツの中でいちばん盛り上がるのはディスクブレーキのアッセンブリだ。金属やカーボンでできた丸い板をキャリパーで挟むことでクルマを制動する……と考えるとここは黒や銀のプラスチックでパーツ化するのが普通だが、このプラモデルはなんと黄色いプラスチックでパーツ化している。

NISMO仕様のGT-Rにのみ奢られる黄色いブレーキキャリパーを表現したかった……というのはわかるが、「楽プラ」の名前を冠して接着剤を使わなくても組める仕様、過剰にパーツを細分化しないというコンセプトが「ディスクごと真っ黄色にしてしまおう」という思い切った設計を採用した理由であるはずだ。

肝心のディスク部分は楽プラの「無塗装でも見栄えのする仕上がり」を守り、ホイルシールを貼ることで表現する。実物はカーボンディスクなのでここまで鏡面の金属光沢ではないのだが、完成するとスポークの向こう側にキラリと光るディスクが見えて、これが素晴らしいアクセントになる。

本来熱が入らないと効かないというセラミックカーボンブレーキの材質的な弱点を解決するために日産とブレンボが共同開発したという専用のブレーキキャリパー。黄色い理由は「ハードブレーキングで1000℃を超えても変色しない塗料が黄色しかなかったから仕方なく選ばれた」というのだから恐れ入る。もしこのパーツが最初から黒だったら「黄色く塗るのは大変だな」という印象だっただろうし、複雑なカタチのパーツに黄色いシールをきれいに貼るのも難しいだろう。

パーツが黄色いプラスチックでできているから、思わずブレーキに興味を持つ。GT-Rのなかでも特別なNISMOスペックがいかに抜きん出たものかを調べるきっかけになる。プラモデルというのは「知っているものを確認し、再現するためのツール」としても楽しめるし、当然ながらキットを組みながら自分の中の好奇心を育み、世界を知るためのルーペとしても役立ってくれるのだ。

それにしてもこのプラモデルは本当におもしろい。ブレーキだけでこれだけ熱くなってしまったが、ほかにも思うところがたくさんあった。「楽プラ」というシリーズ名だけで組み味を断じることはできないほどの創意工夫が各所に見られ、いちどで語り尽くせないほどだ。この続きは、またこんど。みなさんは買って組んで一緒にオドロキましょう。それじゃまた。
