
「自分の好きな色でマーカーや筆ペンが作れたら楽だよなぁ!」というモデラーの妄想に対して、ようやく真に実用的なプロダクトが登場しました。好みで調色したインクを軸の後端から注ぎ、穂先がカキンと尖った筆で繊細なスミ入れができる……というとシンプルに聞こえるかもしれませんが、多くの工夫の積み重ねで実現しているねこれは。
まず自分がやりたかったのは2000年ごろにカトキハジメ氏のイラストや彼がプロデュースする製品で見られた淡いバイオレットのスミ入れを実現する筆ですよ。GSIクレオスのフィルタ・リキッドからレイヤーバイオレットをベースにシェードブルーをわずかに一滴、これをウェザリングカラーのマルチホワイトで割って適宜薄めたらコレ。マジでこの色のスミ入れペンが欲しかったので超嬉しい。まさにY2Kって感じだよねこのスミ入れ……。

そんでもってこの筆は1セット3本入り。友達と「お前なら何入れる!?」という会話をしていて、声を揃えて同時に出たのがキッチンマジックリンです。はみ出した水性塗料を剥がすのに専用のペンがあったら超便利じゃないですか。毎度詰め替えボトルを傾けて綿棒に染み込ませて……とやらなくて済む。これは革命なのでは。

付属の専用計量カップは目盛り付きで、軸にビシッと満タン入るように設計されています。希釈の比率も1:5(これはエナメル塗料を薄める目安値)で計れるし、このへんが「専用設計の強み」って感じで痺れます。偉い。さらに保管しているとどうしても塗料が分離してしまいますが、これを撹拌するための金属球も入ってます。最高。
そして軸の横に金属のノブが付いているのですが、これが従来の水筆とは違うところ。軸から穂先へと塗料(あるいは水とかマジックリンとか……)が染み込んでいくスピードを変えられるので、塗料が穂先からダバダバ染み出して来ないのですよ……。

スミ入れペンでスミ入れできるのは当たり前(でもめっちゃ嬉しい)なので、キッチンマジックリンを軸に入れてわざと大げさにはみ出させた水性塗料のつや消しブラックを拭き取ろうとしたらうーんイマイチ。穂先が細すぎるしこれなら綿棒に染み込ませてガーッと拭き取ったほうが速いね。それにしても穂先の鋭さとまとまりは一級品です。素晴らしい。

GQゲルググのバックパックスラスターのこまかい塗り分けを筆でちょいちょいやったあとに微妙にはみ出たところをリタッチするのにはこのマジックリン筆が適しています。なんというか「超精密にキッチンマジックリンを”置く”」という作業が可能になるし、いちいちマジックリンを皿に出して専用の筆を用意して……としなくてもキャップ開ければマジックリンが染み出してくる筆がいつでもそこにあるということがアドじゃ。

これ、たとえばエマルジョン系のシタデルカラーやファレホのための水筆にしてもいいし、マークソフターをちょい塗りするための筆にしてもいいし、とにかく軸にいろんなケミカルを入れてあれやこれやのちょいとした作業に使えそうな雰囲気がムンムンです。みなさんもいろんなものを入れてテストしましょう。中身も流量も自分でカスタマイズできる筆、スミ入れだけにとどまらないアイディアを探してください。そんじゃまた。