

「カンガルー、どうっすか?」
そんな会議がオーストラリア軍で当時あったのだろうか。タミヤの1/35 イタリア軍 カーロ・アルマートにはカンガルーのでっかいデカールが入っている。
「3種類のデカールが付属している」と箱に書いてはあるものの、こういった図柄が入っているとは思なかったので驚いた。説明書を見ると、オーストラリア軍鹵獲車両を作るためだということがわかる。それにしても面白いのは、このカンガルーのマークだ。オーストラリアと言えばカンガルーという連想は容易だが、戦の場ですらオーストラリア軍が自国の象徴として取り扱ったのかと考えると興味深い。

もっと単純な図形でも良いはずなのに……と思い、傍らにあるイタリア軍のデカールを見るとやっぱり単純な図形であった。これでもかと戦車にデカールを貼りつくしてオーストラリア軍に奪われたカーロアルマートを作ることも「マークはカンガルーで!」「この大きさで!」と誰かが提案し、承認されたマークだと思うと「戦車のマークひとつとっても、いろいろな提案をするやつがいるんだな」と趣深い作業になってくると思う。
オーストラリア軍仕様の戦車を作るにあたって、ひとつだけ課題があった。オーストラリア軍の兵士が箱の中に入っていないのだ。しかし、ここは頭のひねりどころといった具合に、イタリア軍の兵士を少し離れたところに仮に配置してみると、「奪われた自国の戦車を眺めるイタリア兵」という情景が出来上がった。

カンガルーに埋め尽くされた、カーロアルマートをイタリア兵の気持ちで眺める。すると「自分の戦車がよその国のマークに埋め尽くされるのは結構ショックだ」気づいた。「奪われたときの喪失感」を味わうには鹵獲車両の作成はピッタリだ。
金属製の砲身やエッチングパーツが入っているが、蓋の裏側に貼り付けてあるので無くさないように気を付けて、私と同じようなカンガルーショックを味わってもらえると嬉しい。