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ちょっとユルめの時間に寄り添うプラモデル/PMモデル製シーフューリーのいい湯加減。

 なんか作りたいけど気合いを入れて作業するほどでもない。だけどちょっと手を動かしたいしそれなりに達成感も味わいたい。そんな「小腹がすいたような気分」のとき、私はPMモデルのシーフューリーを作ることにしています。

 シーフューリーとはイギリスはホーカー社が大戦末期に開発した艦上戦闘機で、戦後ジェット戦闘機が導入されるまでイギリス海軍ほか数カ国で使用されました。このキットはもともとイギリスのPioneer2というメーカーが開発し、現在はトルコのPMモデルから販売されています。単座と複座2タイプの計3タイプがあり、模型店の片隅でオレンジのキャラメル箱に入って数百円で売られているのをしばしば見かけます。

 開封すると最低限に分割された厚めの部品が出てきます。細かい部品もあまりなくディテールもマイルドな雰囲気なので最近の飛行機プラモの基準からすれば古くさく感じられるかもしれませんが、あなどるのは早計です。「部品が最低限」ということは手早く形になり、「パーツが厚め」というのはがっちり接着できることを意味しています。

 一般に飛行機プラモは手が切れそうなシャープさと繊細さに注目が集まりがちですが、それゆえパーツを切り出しキレイに整えてから接着したり、それこそ手で持ったりすることにすら相応の慎重さ・緊張感を要求されるのも事実。そんななか、このキットは肩の力を抜いて組み立てられるイージーゴーイングな態度にも応えてくれるので、作りながらリラックスできるのです。パーツ同士の合いはパチピタというわけでもありませんが、モチモチした感触のプラスチックでできているので調整も簡単です。

 その一方で、増槽やロケット弾が付属していたり翼下面の着陸灯がクリアパーツで再現されていたりするので簡素一辺倒というわけでもありません。デカールも充実しており、塗装バリエーションも豊富。味変できて何機作っても飽きません。そしてなにより実機の持つマッシブで頑丈そうなイメージをよく再現しているのが嬉しいところです。

 手軽に組み立てられて心地いい満足感を得られる、そんなPMモデルのシーフューリーは仕事に学校に模型製作に疲れた人がほっと一息つきたいときや、飛行機プラモや海外キットに興味があるけどハードルが高そうだと思っている方に是非お勧めしたい好キットです。サクッと作るのもいいし気になるところだけ手を加えれば見違えるようになるので、ぜひとも気軽にチャレンジしてください!

Branz01

静岡県出身・大阪府在住の1985年生まれ。本業はマシーンの研究開発で模型は心の栄養です。

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