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自分が生まれた時のプラモデルを手にする/タミヤ 西ドイツ・レオパルド戦車

 1975年7月に生まれた私と、1975年7月に発売されたというタミヤのプラモデルです。この年はミリタリーミニチュアシリーズ(以下MM)史上最多ラインナップ数だった様で、自分の誕生月とドンピシャのキットが見つかりました。半世紀前のキットが「そのまんま」で今なお入手できるタミヤMMです。パッケージされたその時代に触れられる遺物とも言えましょう。

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▲鋳肌と縞鋼板のモールドの美麗さたるや。’80年代前半に発売されたザブングルのプラモに縞鋼板モールドがあるけど元ネタこれか?って感じです

 考えてみてください。半世紀前といえば高度成長期、バブル景気という大量消費&大量廃棄が声高に掲げられた時代を経ていまここにあるワケですよ。古いとか様々な声に揺らぐことなく「よく変わらずここまでたどり着けたなお前!」とキットを手にしてグッときました。模型をあつかう上での不変であることの決意か。田宮模型の価値の練り上げ方、ハンパねーっすよマジ!

▲主パーツは砲塔と車台がゴロッとあり、ランナーは3枚。ランナーのパーツは今と比べて少なくまばら。
▲「作る前にお読み下さい。」のイラストの味わい深さ。このキットの西ドイツ戦車兵と同じ装いなのでキットごとで絵が違うの? 英語版の親子も時代感じる良さがある
▲唐突に差し込まれるコマンダーの写真。説明書に可能な限り、実物の情報をユーザーに届けようとする好感しかない姿勢

 ニッパーを手にする前に説明書から目が離せません。今のように全てデジタルで紙面を組むことができないうえ、カラー印刷が高価な時代です。理想とするレイアウトが叶わないながらも「わかりやすくカジュアルに、なおかつ実物の情報を可能な限り届ける」というユーザーに対する真摯な姿勢が見て取れます。

▲転輪のハブキャップとワイヤーロープがポリエチレンなのが時代性でしょうか。塗ったらハゲ落ちない? それもあって今、転輪はポリキャップ内蔵で、ワイヤーは紐になったのかな
▲戦車プラモのポリのメッシュ、苦手なんだよな… と手にしたら金属製でした。堅牢な金網です。排気フィンのパーツを裏から当てて固定できるので取り付けは容易。考えられている!

 半世紀前のキットです。組み立てには難儀するかと構えていましたが意外にサラッとやりきれました。ニッパーとデザインナイフ、ピンセットの基本ツール、そして接着剤はタミヤセメントとタミヤセメント(流し込みタイプ)速乾の現行マテリアルがあれば苦もなくゴール。パーツ数も制限が多い時代でしょう、最低限のパーツ数でしっかりディテール表現している。組んでいてそんな印象がありました。

 キット付属の水転写デカールでナンバリングできるので「1975」と貼ってフィニッシュ。やべー。かっこいい! 古いキットだから「野暮ったい」とか「ディテールが甘い」とかいっさい感じない「The·戦車」という緻密かつ堅牢なフォルム。たまらん。 私が生まれた1975年という時代に、プラモデルを通して思いを馳せれた今回です。

 この半世紀で廃れて消えていったモノの方が圧倒的に多いなか、今なお現役で店頭にならぶベテランプラモ。アルバムの写真はすっかり色褪せてしまっているのに当時のまま、ピカピカの姿でキットがあるとか工業製品としてもありえない。プラモデルのユニークポイントです。 最後に。こういう古いキットは塗装しない方が好みかも。その時代性を示すプラスチックの肌感を、塗料でおおってしまうのは惜しい気すらするのです。

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