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プラモデルをメタリックカラーで塗るなら絶対に読んでおけ!/モデルアート2023年8月号の話

 みなさん、シルバーやゴールドの塗料が何でできているのか、なぜ金属色に見えるのか考えたことありますか。経験則やインターネットで読みかじった知識で「なんとなくこうなんだろう」というのはあっても、実際に塗料を製造している人が金属色の仕組みを教えてくれる……というのは前代未聞だと思います。ということで、モデルアートの最新号を買いましょう。これ読まずに「メタリック系の塗料はさぁ〜」と知ったようなことを言うのはダウトだぜ……と断言できます。これ読めばメタリック塗装がうまくなります。

 モデルアートといえばいろいろな種類の塗料をスプーンに塗って「この瓶の塗料はこういうふうに見えます」というカタログ的な取り上げ方がおなじみの手法です。今回も模型店で売られているさまざまなメタリック塗料の塗装サンプルや、実際にそれを使って塗った作例を掲載することで「なるほど具体的だな」と感じます。しかし、それはぶっちゃけ塗料を買い集めてくればアナタにも可能っちゃ可能です。

 必読なのは巻頭特集冒頭にある「GSIクレオス ホビー部の片山氏に対しての質問と回答」というカタチでまとめられたメタリックカラーの解説。そもそもメタリックカラーのなかには何が入っているのか? これまでの水性塗料におけるメタリックカラーはなぜラッカー塗料よりも輝きが鈍かったのか? そもそもなんで液状の塗料がプラモデルの表面に塗られると金属のようななめらかな光沢になるのか? という疑問にきわめて論理的かつ平易な言葉で答えてくれています。

 でも、そんなことを知って模型づくりがうまくなるのか?

 答えはYES。今自分が塗っているメタリックカラーはどんな化学的特性を持っているのか? 塗っている最中、乾燥していく過程で塗料のなかで何が起きているのか? ということをを知れば、塗料の扱い方やリカバリーのしかたは自ずと再現性のある(つまり狙ったアプローチに対して最適な方法を選べるようになり、自分が望んだ結果に繋がりやすく)なります。

 特集全体は32ページ、先述したQ&Aは都合6ページの記事ですが、その3ページ目からすでに編集さんも「これはディープすぎて読者に伝わるかどうかちょっとキワドいぞ!」と感じているほど濃密で、論理的かつ具体的なメタリック塗料の知見。本当に目からウロコだったり、これまで「なんとなくそなんだろう」と思っていたことを鮮やかに裏付けてくれるような素晴らしい内容です。みなさんも、ぜひ。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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