最近、フライトシムを始めました。Microsoft Flight Simulator 2020(MSFS 2020)というPCゲームです。愛機はDHC-6 ツインオッターという小型旅客機。ブイブイ飛ばしているうち、「これってプラモあるのかな……」と気になってきました。軍用機なら、いつものプラモ屋さんにどんなキットがどの棚に置いてあるか覚えていますが、そういえば旅客機っていちども作ったことないし、どんな機種がプラモになっているかもよく知りません。
調べてみると、ツインオッターはドイツレベルから1:72スケールでリリースされているようです。しかも、都内のプラモ屋さんのサイトに「在庫あり」との表示が! ……ってことで、買ってきました。こういうのは早いほうがいいですからね。
これがそのキット。ドイツレベルのプラモは、いかにも欧州のホビー品といった風情のデザインが目を引く横開きボックスです。箱を軽く揺すればパーツ同士の擦れるガラガラという音が……。ある種の緊張感を伴うプラモ開封エクスペリエンスは、きれいに箱詰めされた国内メーカーのそれとは一味違う楽しみ。せっかく舶来品のプラモを選ぶなら、こういう部分まで味わいたいですよね。
金型はいにしえのブランド、マッチボックスのもの。このプラモの初版は1983年の発売だそうです。マッチボックスと聞くと大味な凹モールドを連想する方が多いかもしれませんが、このキットは凸線が比較的シャープに刻まれています。
先に触れたように、わたし、旅客機は初めてなんです。窓がたくさん並んでいる胴体パーツと対峙して、「え、これ全部マスキングするんですか?」と立ちつくしてしまいました。正攻法がどうなのかは分かりませんが、ここでは「先に塗っちゃう」方法を選択。初めてのジャンルのプラモに挑戦すると、「これどうしよ?」という状況が出てくるのが新鮮でいいですね。
できました! ベテランのキットですから、おおらかな気持ちでパパッと組んでみました。このキットは、機首はショート/ロング、脚部はタイヤ/スキー/フロートを選んで組み立てることができます。今回はフライトシムで愛用している有志作成のリバリー(飛行機用の着せ替えデータ)の機体にできるだけ近づけてみたのですが、この組み合わせ・塗色はどうやら実在しないようですね。
実はそんなこともプラモを組み始めてから気が付きました。フライトシムでブイブイ飛ばしている愛機でも「ここってこんな形だったんだ~」なんて発見があるから、プラモはやめられません。
そんなわけで、フライトシムをプレイするPC机にミニチュアのツインオッターがやってきました。質量を持ったモノが机の上にあるのって、どうしてこんなに特別でうれしいのでしょう。この満足感は想像以上でした。
すこし考えてみると、「ホンモノの飛行機は簡単に所有できないし飛ばせないから……」という事実が原動力の一部になっているのは、プラモもフライトシムも共通なんですよね。ということで、モチーフへの愛をふたつの異なるアプローチで辿っていくような週末でしたとさ。次は、プラモを作ってからフライトシムで飛ばしてみましょうか。
※ DHC-6 ツインオッターはMSFS2020のデフォルト収録機体ではありません。Aerosoft社のアドオン機体と有志作成のリバリーを導入しています。
1993年生まれ。プラモは2日間で完成させたい派。