プラモデルの作業、特に塗装は手が汚れる。ラッカー系はもちろんエナメルも水性塗料も、学校の課題で使っていた水彩絵の具や墨汁だって爪や指紋に流れこんだら石鹸でもなかなか落とせない。薄め液で素手を拭うのもなんだかとっても肌に悪そう。経験的にはお風呂に入って髪を洗うと爪の隙間に入ったとこまできれいに落ちるんだけども、塗装のたびにシャンプーするわけにもいかない……。
そんな時に用意しておきたいのがクレンザー入りの石鹸。もちろん人間用のヤツ。スーパーやドラッグストアでは大抵の場合、食器やシンク用のモノしかおいてないけど、ホームセンターで探してみれば人間用のが置いてある。自転車のチェーン交換した時の油汚れとか、日曜大工の塗料汚れ用のハンドソープが売っている。
人肌に使っても大丈夫なクレンザーというとスクラブ入り洗顔料があるけれどこっちの方が安いし、そもそも塗料汚れを想定した専用品といえるので、だまされたと思って使ってみて欲しい。機械類を扱うタイプの職場や工業系の学校なんかにも同系統の石鹸が常備されていて、知っている人には別に珍しくもないタイプの石鹸らしい。それ故に業務用サイズ限定の銘柄も多い。自分も写真のモノは通販で見つけた。
爪先に入り込んだ塗料汚れは、たとえクレンザー入りの石鹸があっても掌どうしの擦り合わせでは落としようがない。これも世の中便利な道具があるもので「爪ブラシ」を使うと面白いほど簡単に汚れが落ちていく。これならデート前でも塗装ができる!
普通の石鹸しか知らなかった頃は手についた塗料汚れを落とし切ることが出来なくて、爪周りにスミイレしたみたいな状態で食事の席につき家族に指摘されるなんてことも多々あった。「だって落ちないんだもん…」とバツの悪い返事を返すばかりの日々もこれでおしまい。適切な石鹸とブラシを用いることで人類は塗装後の手の汚れをこんなに簡単に落とせるようになったのだ。
プラモデルという趣味の時間から日常に戻るのをスムースにしてくれる。気軽に戻ってこれるってことは、丸ごとの休日とはいかなくても日々の小さな暇の中でも手をつけられるってことでもある。それはちょっと幸せなことだ。
ほら、みんなで手を洗おう。
1983年生まれ。プラモデルの企画開発/設計他周辺諸々を生業にしています。