模型売り場のリアルをご紹介するこのコーナー。協力してくれたのはイエローサブマリン 秋葉原スケールショップです!ということで、同店のナウなイチオシ新製品を店長の託摩詠規アニキに直撃。意外なアイテム、王道イチオシアイテムも含め、「こんなのあるのか!」と驚き楽しんでもらえればこれ幸い。そんじゃ行ってみよう!
まずはTAKOMの「タコム 1/72 ドイツ軍 ジルバーフォーゲル 弾道飛行爆撃機」です。ドイツから発進してアメリカを爆撃するには宇宙を飛ぶしかないというすごい計画があったのですが、実現しなくてよかったですね……。スペースシャトルの遠い祖先みたいなもんなので、宇宙機好きな人、計画機が好きな人には刺さるモチーフ。黒×銀のスキームに鉄十字が入っているのは「かつやくそうぞうず!」という感じで凄く良い。
翼には耐熱タイルのディテールが案外生真面目に入れられていたり、異なる形状の機首がふたつセットされていたりと「ただシルエットを再現しましたよ」というだけでなくわりとイマジネーション豊かなプラモに仕上がってます。なんと核爆弾を搭載するための車両もセットになったキットが発売されるそうなので、そちらもぜひ。
こちらはインフィニティモデルズ「1/32 イギリス空軍 D.H.ヴァンパイア F Mk.3」です。いわゆるビッグスケールでヴァンパイアが発売される2022年、マジで素晴らしいですね。私はホントにヴァンパイアが好きなんですが、ビシッと組むには少々難しい機体のカタチ、そして実機が小さいのでどうにもプラモが小ぶりになってしまうことが悲しかった。でもこれだけ大きければバチコーンと組み立てて塗ってブーンってして遊べますね。
このキットは1/32というスケールを活かして「これでもかーっ!」と機体表面にリベットが入っているのが最高だね。戦後すぐから1990年まで運用されたスーパーおじいちゃんジェット機。思い入れがなくたってこのカタチと表面のディテール、そしてビッグスケールと来たら、ウッとなって忘れられないプラモ体験になること間違いなしです。問題はとっても高価であることなのですが……このキットの製造を請け負っているのはニッチな飛行機模型が得意なHPHというメーカー。大量生産ではなく、マジで欲しい人のためにちょっとずつ色んなバリエーションを作って販売するタイプのプラモなので、この価格もむべなるかな。一度流通すればマボロシのキットとなること間違いなしなので、いまビビビと来たあなたは確実に入手しておくことをおすすめしておきます。
またタコム!「VT 1-2」というメチャクチャな名前とガンタンクをとことん簡素にしたような「嘘でしょ!?」というカタチの試作戦車がなんとプラモになってしまった。ちゃんと実在する車両なので安心してほしい。
西ドイツでは名作戦車レオパルト1の後継戦車としていろんなプランが考えられていたんだけど、そのひとつとして二次大戦中に流行った「駆逐戦車」(グルグル回る砲塔がくっついていなくて、いきなり大砲が車体から突き出ているタイプ)のスタイルをもう一回やってみようか……というアイディアがあった。砲塔が回らないのは機動性でカバー!一発外しても2門が前向いてれば「ドンドンッ!」の二発でなんとか撃破できるじゃろ……と考えたらしいけど、そんなことはなかったのでレオパルト2(今も現役ですね)が生まれたのでした。
このキットの見どころは……と託摩アニキがイチオシしてきたのはなんと履帯!グレーの軟質素材でできているので、イマドキ珍しい「グルッと巻いたらハイ完成!」という寸法。車体の細部ディテールもかなりシャキシャキしており、あなたの戦車プラモコレクションにひときわへんてこりんな車両を加えたければマストバイの一品と言えましょう。
最後はカーモデルからひとつ。フジミの「1/24 峠シリーズNo.2 ホンダ サイバー CR-X Si」です。初出は1989年となかなか古いプラモなのですが、今回の再発はシャーシと足回りのパーツがリニューアル。しかもこれは形状というよりギミック寄りの新規パーツなのが面白いのです!
ステアリングが左右に切れるのはもちろん、プラスチックとポリパーツの組み合わせによって「4輪独立無段階車高調整機構と4輪独立無段階キャンバー調整機構」が実装されています。ノーマル車高/シャコタン(ローダウン)はもちろん、キャンバーを変えられるのでタイヤをかなり大げさなハの字できます。コーナリング中にアウトのサスが伸びているところなど、四輪独立でそれぞれのアライメントを変えられるので「車にポーズを付ける」ということが可能なんですね〜。おもしろい。
いつも棚に並んでいるアイテムはもちろん、こうした新製品もチェックしつつお盆休みのモデリングライフに備えましょう。イエローサブマリン秋葉原スケールショップはお盆期間もフルスペックで営業中ですから、お近くの人も上京予定の人も、ぜひ!そんじゃまた、次回の定点観測でお会いしましょう。