模型売り場のリアルをご紹介するこのコーナー。協力してくれたのはイエローサブマリン 秋葉原スケールショップです!ということで、同店のナウなイチオシ新製品を店長の託摩詠規アニキに直撃。意外なアイテム、王道イチオシアイテムも含め、「こんなのあるのか!」と驚き楽しんでもらえればこれ幸い。そんじゃ行ってみよう!
まずはTAKOMのFa330です。Uボート(ドイツの潜水艦)が周囲の状況を観測するために「人間を乗せた凧を揚げればよいのでは?」と考えためちゃくちゃなメカです。ヘリコプターに見えますが、なんと動力なし。「回転翼を装備した物体がワイヤーに引っ張られて風を受けると勝手に羽根がぐるぐる回って、そのまま落ちてこない」という原理を利用して、空高くから周囲の海を監視しようとしたわけです。
こちらのプラモ、スケールはなんと1/16。なかにはキレッキレの巨大なフィギュアが入っております。機体そのものも「そこまでやらなくてよくない!?」と声を出してしまうほどこまかいパーツで再現されています。私、思わずこのキットを買ってしまったので、こちらは後日中身もレビューしますね……。
こちらはアミュージングホビーのMe262 HGIIIです。Me262といえば二次大戦中にドイツが世界に先駆け実戦配備したジェット戦闘機のひいおじいちゃん。その強化プランとして考えられたのがこのHGIIIというヤバいやつです。左右にまっすぐ突き出していた主翼はまるで現代の戦闘機のように後ろに向かって斜めに伸び、大出力のエンジンを胴体の左右にピッタリとくっつけた……という計画機(実際には作られなかった)。これによってなんかシューティングゲームに登場するわりと強めの中ボスみたいなカタチになっており、タダでさえ怪異な「ドイツのジェット戦闘機」がさらにモノノケ的風貌を獲得しているのです。ドイツの計画機、いいよね……。
プラモは1/48スケールでまあまあ大きいのですが、箱を開けて仰天!マジですごい!これは箱の中を見せてしまうとそれだけで記事が一本書けてしまうくらい衝撃的なので、これまた後日レビューします。いますぐ欲しい人はいますぐ買ったほうがいいぞ……。すごいから……。
こちらはスノーマンモデルのDF-41。1/72スケールのとんでもない車輌です。背中に積んだ筒には巨大な大陸間弾道弾が入っています。この筒をおもむろに垂直に立ち上げて撃つ!本当に!?
キットの構成としてはわりとマジメなAFVモデルなんですが、巨大な一体成型のシャーシや独特な方法でめちゃくちゃいい感じの彫刻を実現しているサスペンションの構造など、見るべきところが多い。もう見た目がSFメカみたいな感じなので、1/72のキャラクターモデルと組み合わせて遊んでも絶対に盛り上がること間違い無しのすごいプラモです。筒にタイヤがたくさんくっついてて、しずしずと走ってくるの怖いもんなぁ。
あと大陸間弾道弾がハコの全長より長いため、ハコの側面にミサイルが突き刺さっているのもすごかったです。はみ出すほどの情熱!スノーマンモデル!
さて、託摩アニキと私が壮絶に盛り上がってしまったのがこちら、ベトコン32体入りプラモです!やばい!南ベトナム解放民族戦線が映画などで描かれるときにかぶりがちなノンラー(編笠的なもの)と、背後に描かれた土のうや火を吹く火砲。そして飛び交うイロコイ!聞こえるぞ、響き渡る『ワルキューレの騎行』が!
ハコをオープンすると中身がパンパンすぎて「嘘だろ!」と声が出てしまいます。ちなみにパーツはとっても緻密でデジタル造形のベトコン兵士たちがビッチリと分割され、装備品も立体感豊かにモリモリと同梱。スケールは1/56とあって、ルビコンモデルズの車輌と合わせて楽しむのが吉です。それにしてもベトコンが一気に大量に手に入るプラモってこれまでなかったはずなので、最高ですねコレは。
「同シリーズのアメリカ海兵隊も新製品!セットで買えばゴールデンウィークはこれをずっと組んでいられますね!」と語る託摩アニキ。みなさんもイエサブ秋葉原スケールショップでこのGWに楽しむプラモを探し、ゲットしてください!そんじゃまた。
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。