nippperで20回にわたり連載された飛行機模型の連載「初めて作るヒーコキモケイ」(連載時は模型の字がカタカナだったんですね)が、飛行機模型専門誌『スケールアヴィエーション』編集部より単行本化されました!!
nippperの連載は、「タミヤ 1/72 飛燕」のプラモデルを題材に、イチから飛行機模型を楽しんで行こうというもの。連載時よりも加筆され、写真も多数再撮されたことでさらに内容が充実しているのが本書です。大きな写真と簡潔なテキストによって、160ページの大ボリュームもライトに楽しめる内容となりました。
飛行機模型をいざ始めようとすると、膨大なプラモの数々を前に「何を買ったらよいのかわからない!」「本や説明書も専門用語がいっぱいで何が書いてあるのかわからない……」というたくさんの疑問に直面すると思います。本書ではそんな疑問にひとつひとつ答えながら、今までのHow to本よりも世界一やさしく楽しく飛行機模型製作をお届けしています。
おじいちゃんおばあちゃん、お父さんやお母さん、お子様に彼氏彼女。この1冊とともに、みんなでヒコーキモケイを楽しんでいきましょう!
本書は「まずはパーツをカットして」「コクピットは貼り合わせる前に塗って」と言う話をいきなりしません。飛行機模型を知らない学校のお友達、あなたの職場の隣に座っている人に読んでもらっても「飛行機模型ってなんだか楽しそうだね」と思ってもらえる、楽しさを共有できる内容にしようと編集しています。
飛行機模型、もしくはプラモデルをたくさん作っていて当たり前だと思っている所こそ、これからプラモデルを始める人にとって大事なんですよね。その様な部分にどんどん切り込んでいきます。
模型店以外に、家電量販店やAmazon、ネットショップでプラモが買えるということは僕たちの中では当たり前だけど、実はいまだに「ヨドバシでプラモ買えるんですか?」「ネットショップでこんなにプラモって扱ってるんだね」とよく言われます。
組む・塗るの前に「買う」という体験は、プラモデルを楽しむ上でぶっちぎりのスペシャルな体験です。だからこそ大事にしたいと思い、イエローサブマリン 秋葉原スケールモデル館を舞台に「プラモや工具が売られている現場の楽しさ」を記事にしようと思いました。楽しく模型が買えたなら、作るのもきっと楽しくなるはずですよね。
模型棚よりも現在複雑な迷宮となっているのが、プラモを作るための「工具」。確かに良いものが増えて良いことなのですが、これから始めてみようという人にとっては正直びっくりすると思います。
僕も良く行く模型店で、小さなお子様とお母さんが「え? ニッパーってこんなにあるの?」とびっくりしていました。だから、「あれもいいこれもいい」のカタログではなく、「これを使ってくれ! これで大丈夫!!」というリコメンドを掲載しました。実際に本書で作っている/塗っている飛燕は、すべてここに掲載された工具で製作しています。
プラモを組むこと自体、そもそも本当に楽しい体験です。バラバラだったパーツたちが、ひとつひとつ合わさって形になっていく喜び。まずはそれを体感してほしくて、塗装やマーキングやウエザリングといった「その後の工程」を考えずに飛行機模型を組むだけの様子をじっくり掲載しています。いちど飛行機の形に組むところまで行けると、飛行機模型の構造を知ることができます。まさに飛行機模型の地図を手に入れることができるのです。そうなれば、「塗装にチャレンジしてみたい!」と思ったときにも、あなたの迷いが少なくなるはずです。
家庭がある、パートナーがいる、マンションなどの集合住宅で塗装を楽しむ……となると、「筆塗り」が選択肢の最上位に来る人も多いはずです。今は匂いも少なく、準備もお片付けもお手軽な水性塗料がたくさん発売されています。本書ではどこでも購入可能な、GSIクレオスの「水性ホビーカラー」とタミヤの3本セットの筆「タミヤ モデリングブラシHF スタンダードセット」で筆塗りしていきます。水性ホビーカラーを上手に使う方法、塗装前の筆の準備、組み立てる前に塗装しておくと良い場所、透明パーツの窓枠の塗装などを大きな写真で解説していきますよ。
僕が飛行機模型を初めて作ったのが約10年前。その時にたくさん経験した楽しいこと、失敗したあれやこれをリアルに詰め込んでいます。本書を読むと、模型を買うところから、作り上げる&塗り上げる、そしてSNSにアップしてみんなと共有するという現在の模型ライフの一連の流れを体験できます。「飛行機模型ってこんなに面白いよ!」と言うのを感じてもらえる1冊になったと思います。
ぜひ紙で読めるnippper「初めて作るヒコーキ模型」と一緒に、たくさんの仲間とプラモを楽しんでください!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)