とある作業場で出会ったこのツール。「いままでなんで知らなかったんじゃ!」と慄くくらい便利だったのでイエローサブマリンに行って買いました。いわゆるプラモのパーツを塗装時に保持しておくためのクリップ付き棒ですね。
クリップ付きの棒でこういうところを掴むと、パーツに傷が付くことがあります。また、塗装したいのにクリップで隠れてしまう部分は塗り残しになってしまうため、また別のところを掴んで再度塗り直す……みたいなことをやっていました。いわゆる「掴みどころの無いやつ」ですね。ブルタックとかを使えば保持できなくもないんですが、それはそれで面倒……。
そこで逆作用の塗装棒です。クリップとは逆で、力を入れると閉じる/力を抜くと先端が開くという構造になっています。たとえばνガンダムの頭部だと、首の関節を入れるための穴が開いていますので、力を入れて先端が閉じた状態で差し込みます。
手を離せば穴の内壁を押し開くような向きの力がかかっているのでパーツが保持されます。クリップの大きさは「細」と「中」があり、「細」は直径3mm〜7mmくらいの穴に、「中」は直径7〜15mmくらいの穴に対応しています。
必ずしも対象は穴でなくてもOK。離れたダボふたつに引っ掛けてこういう持ち方もできます。先端外側にギザギザが付いていますので、ちょっとやそっとのことではパーツが落ちません。
このアイテム、「けっこう前からあったよ」と知り合いからもコメントをもらったのですが、じつは先日、機能はそのままに木の棒を短くした「短い塗装棒 逆作用タイプ」というアイテムが追加されました(今回写真で紹介しているのは「短い塗装棒 逆作用タイプ 細」です)。これ、単に短くて取り回しが良いというのに加えてモデラーの多くが愛用している乾燥機のなかに入れられるサイズに調整してあるんだとか。新旧どちらも塗装の自由度が体感で倍になるすごいアイテムなので、みなさんもぜひ塗装棒の仲間に加えてください。そんじゃまた!
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。