私の相棒が可愛かった頃/ポケプラクイック!! モクロー

 20年ぶりに救った世界は、過酷だった。

 私はヒスイ地方という過去の世界に突如タイムスリップすることになった。そこにはポケモンがいて、まだポケモンとどう接したらいいのかがわからない者が大勢を占める人がいた。

 コトブキムラと呼ばれる集落でギンガ団の一員として私はよく働いた。遠い過去の世界は、伝統やしきたりを重んじる世界で、だからこそ突如現れた私は苦しい立場に立たされることもあった。それでも、私は世界を救うことに成功した。

 私が何度も救ったポケモンの世界と違うことがあった。それはポケモンが私自身を襲ってくることで、電撃や、炎に包まれたり、紫色の毒ガスに何度も目の前が真っ暗になった。

 ポケモンたちが容赦なく襲ってくること以外にも違うことがあった。それは、とにかく対戦相手となるポケモンがどれも強いということだ。しっかりと弱点を突かれると、明らかに格下の相手に負けてしまう。私のポケモンは何度もひんし状態になった。真剣にやらないとまるで勝てない。

 そんななかで、私の手持ちのポケモンはどんどん進化していった。モンスターボールから出して、触れ合っているだけで楽しかったモクローは、フクスローになって、ジュナイパーになった。ペットのような存在が、いつしか世界を救う相棒になっていった。

 ポケモンは、レベルが上がると進化させることができる。そして、進化はゲームを有利に進めるための大事な要素だ。ただ「ゲームを始めた頃のおぼつかない操作で旅を共にしたモクローの姿を見ることはできないんだな」と思うと少し悲しくなった。

 だから、バンダイの「ポケモンプラモコレクション クイック!! シリーズ」でモクローが発売されると聞いたとき私は嬉しく思った。大きく、丸みが美しいパーツや、気持ちよくハマる白い顔のパーツ。モクローのまんまるとした身体や、無表情だけど愛らしい姿をたっぷりと味わうことができて、本当に気分が良かった。

 確かに世界は救った。ただ「すべてのポケモンと出会え……」という声の主であるアルセウスというポケモンには会えていない。文字通りすべてのポケモンに出会えていないからだ。

 私が救った世界が広がるのは「ポケットモンスター レジェンズアルセウス」というゲームの中。アルセウスとは、プラモデル売り場で会おうと思う。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。