本当に小さいけれど、完成させたプラモデルは自分にとってスペシャルなもの。このブガッティ100レーサーは儚げで頼りないし、車輪を出しているよりも空を飛んでいる姿が美しい。机の上にチョンと置いておくわけにもいかない。特別な場所で、ふと気づいたときに目を楽しませてくれるような飾りかたをしたい。
こんな日が来るかもしれないと思ってIKEAで買った写真フレーム。額縁というのは大きければ大きいほど迫力が出る。このSANNAHEDというアイテムは一辺12cmくらいの正方形の写真を飾るために、その倍の面積と5cmほどの奥行きを備えていて、何気ない一枚も特別な作品に変えてくれる。写真だけじゃなくて、思い出の品をフレームの中に閉じ込める(たとえばドライフラワーや、海岸で拾った貝殻たち)という提案も店頭ではされていた。
分解すると入れ子になったフレームと、写真をスクエアにトリミングしてくれる穴の空いた白いマット、そして前面をカバーする透明の板がセットされている。あまり背の高い立体物を中に封じ込めるのはちょっとむずかしいかもしれないが、透明の板をあえて付けずに飾ることで立体感を演出するのも楽しいはずだ。
マットの開口部はちゃんと斜めにカットされていて、そのちょっとした陰影が写真を一気にキリッと引き締めてくれる。こういう加工は写真フレームだと一般的なのだが、素人が自分の手で施すのはかなり難しい。ふつうは望みのサイズでオーダーして専門店でカットしてもらうか、専用工具を買うしかない。
小ぶりなブガッティ100レーサーをあてがってみると、なかなかにちょうどいい大きさ。バリッと締まりのあるディスプレイにするために、マットの裏側に黒い画用紙をあてがっておいた。プラモを少しだけ浮かせて画用紙に固定するのはちょっと頭を使うけど、ここはみなさんの腕の見せどころだ。黒い画用紙の代わりにそれこそ写真や、草のテクスチャが入ったマットなんかを嵌め込んでもいいだろう。
透明のカバーもプラモデルと干渉することなく嵌め込むことができた。試しにリビングにポンと置いてみると、かなり良い。所在なさげだったブルーのブガッティが、突如としてミュージアムアイテムに変貌する瞬間。
裏面を見れば分かるとおり、壁掛けもできるしリトラクタブルな支柱でスタンドのようにディスプレイするのもOK。飛行機だけじゃなくて、ミニスケールの小さなジオラマや鉄道のある景色を作り込むのも楽しいはず。アイディア次第で特別なインテリアを作れるIKEAの写真フレーム、みなさんもぜひ!
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。