

人間のフィギュアを組み立てると見せかけて、面がバキバキのロボットモデルのような組心地が楽しいバットマンのプラモデル。完成するとすごく大きいし、いわゆる日本のロボットアニメに登場するメカとは全然違う「単位面積あたりの凹凸がめちゃくちゃ多いデザイン」で見栄えもします。……という話はもう書いたのでこれを読んで。
とりあえず人型になったところですでにかなりの満足感があるわけですが、最後に組み上げるのがバットマンをバットマンたらしめているマントのユニットです。これもメカニカルなボディと呼応するように直線的なアレンジが成されていて、さらにそこに込められた工夫がマジすごい。

マントパーツは大きく5つのユニットが組み合わさって構成されています。中央の巨大なバックパック状のユニットはまるまるプラスチック製で背中に装着されるわけですが、その左右にそれぞれ2枚ずつのマントが可動軸で保持され、開いたり閉じたり分離して手に持たせたりできるんです。で、シャープで薄くてカチッとしたマントを表現するためにカット済み/折れ線入りのポリプロピレン製薄板(しかも上品につや消し加工がしてある!)をプラパーツで挟み込む仕様。

じつはこの構造、すでにこのアイテムと同じFigure-rise Standard Amplifiedシリーズのデジモン関連アイテムでも取り入れられていたものなのですが、「プラモのためのバットマンのデザインアレンジ」をした上で可動ギミックやガッチリとしたディスプレイにも耐えうる設計をし、さらに誰でも組めるようにしている開発チームのアイディアに衝撃を受けます。
……だってバットマンですよ。DCですよ。たとえば海外のキャラクターを借りてきて「プラモにするんでデザインをまるまるアレンジしちゃいますね!」「元はスーツアクターだけどバッキバキのロボみたいにしますね!」「マントもカキカキの薄板にしちゃいます!翻している様子はマントユニットを外して手に持たせて表現しますね!」というのはわりとアグレッシブな提案だし、それを了承してもらうにはめっちゃたいへんな交渉が必要だと思うんですよ。
関係者の方にうかがったところ、このへんはプラモ向けのデザインも考えられる非常に優秀なイラストレーターと、ガンプラとはまた違った文脈で「映える造形を組みやすく設計する」という開発マンのタッグによって実現しているものなんだとか……。いやあ、素晴らしい座組みです。ホントに。


中央のプラスチック製ユニットに設けられたツメに小さいマントがカチッと保持され、その外に大マントの折れ角部分が乗っかることでドカーンとマントを開いた状態でも垂れてくることなくディスプレイできる圧倒的な設計!薄くて軽くて撓る素材を使いながら、お客さんに曲げ加工とプラパーツによる固定をさせつつも三次元的に位置関係がバシッとキマるというのは硬いプラスチック同士が軸可動で移動/変形するのとはまた違うエキサイトメントがあります。ファジーなんだけど、確実。異素材同士の特性をうまく使った空中殺法と言っていいでしょう。


ということで、組んでよし、塗ってよし、ディスプレイして良しのバットマン。デザインアレンジのセンスや豪快な組み味も含めてガンプラを組むのとはかなり異質な興奮があります(なによりめちゃくちゃ知名度のあるキャラクターなので家人も「わ、バットマンだ!バキバキでかっこいいな」と反応してくれるのもGOOD)。さあ、手に入れて組みましょう。すっげえですよ。そんじゃまた。