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1/72のジェット戦闘機プラモをドライブラシで塗る!

 もう30年以上前だったと思うのですが、ある模型誌に2月連続で同じライターさんが1/72のハリアーとF-105サンダーチーフをジオラマ仕立てにして発表していました。なんとラッカー系塗料をドライブラシして迷彩塗装が施されていたのですが、当時中学生のホル塩少年はその作例に大きな衝撃を受けました。「こんな表現はエアブラシでは絶対にできない!と。当時はミニスケールで二次大戦時代のAFVを中心に作られていた松本州平さんが現用のジェット機を作った、というのも驚きでした。

 数年前、およそ30年ぶりの模型製作を再開した私は「無臭モデリング」をモットーに水性塗料での筆塗りに取り組んできました。タミヤアクリルやGSIクレオス(当時グンゼ産業)の水性ホビーカラーは登場した80年代前半においてもラッカー系塗料からの乗り換えを目指してトライしていたのですが、当時はメタリック色の粒子が荒く、「使えない」と決めつけてしまっていました。

 模型製作を再開した当初は基本塗装を水性アクリル塗料で、メタリック系の塗装にはエナメル系塗料を用いたりもしましたが、(ファレホやシタデルに限らず)国産の水性アクリル塗料もメタリック系の色において以前のラッカー系と遜色ないほど質が向上していることを知り、今は完全移行しています。

 さて、前回の記事にてアクリジョンベースグレーで下塗りを済ませたスターファイター。水性アクリル塗料でメタリック塗装をすべく、タミヤアクリルのスカイグレーで下地をもう一段明るくしました。そして陰や隅になる部分にはシタデルのシェイドカラー(シャバシャバで表面を染めるように使う塗料)の「ナルンオイル」を乗せ、銀色でない部分はこの時点で塗ってからマスキングしておきます。機首と垂直尾翼、そして主翼下面は前の記事でも紹介したホル塩オリジナルADCグレー、ピンポイントで使うと色味が違って見えるのが不思議です。

 かつて少年時代の自分に衝撃を与えた松本州平さんに一歩でも近づきたいと、シタデルドライの「ネクロムコンパウンド」で胴体と垂直尾翼、燃料タンクをドライブラシ仕上げしてみました。その技法を知って40年、今回初めて専用の筆、ガイアノーツのNAZCAを投入。「餅は餅屋」の例え通り、非常に作業がしやすいと感じました。

 後部胴体の一部パネルは色味を変えるためにシタデルのシェイドカラー「アグラックスアースシェイド」で染めるように塗り分け、わりとうまくいったように思います。

 カナダ国防軍の訓練部隊に仕上げたのですが、この使い込まれた感じは晩年の航空自衛隊機のイメージかもしれません。定番品なので何度でもチャレンジしてみたいです。

ホル塩のプロフィール

ホル塩(ほるしお)

宇宙戦艦ヤマト劇場版を小学校1年生で、ガンダムを2年生で、マクロスを5年生で体験した世代。以前は雑食でしたが、四半世紀にわたるブランクが明けてからは1/72の「第二次大戦以降/ステルス機以前」の航空機を作っています。リビングの隅っこでやってるので、基本水性塗料の筆塗りしかできないですが、それでもじゅうぶん幸せです。

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