デカさが俺を大胆にする。AIRFIX 1/24ハリケーン

 巨大なハリケーンとの戦いが始まった。説明書では「作っても作らなくてもOK」と書かれているが、このサイズのキットを今後の人生で作ってもせいぜいあと2回程度だと思うので、エンジンを作ることにした。

 エンジンを作っているときは、過去に作った海外製のカーモデルを思い出した。おおざっぱな組み味でゴロンとした塊が生まれるあの感じ。「1/24の飛行機を作る」というと、なんだかとんでもないことをしないといけない気がしたが、実際にはこうして今まで作ったプラモデルの感覚が呼び覚まされて安心して作ることができる。ただ、エンジンを作ったあとにこのスケールの飛行機の巨大さを味わうことになるのだけど。

 いつもなら可愛いプロペラ。息を吹きかければクルクルと回るし、大抵のプラモデルではラスト付近でつけるパーツだけど、これを早々にエンジンに挿すことになる。このエンジンでプロペラ回すのか……と、急に「飛行機がなんで飛ぶのか」みたいな話がリアルになってくる。そしてエンジンとプロペラを支えるフレームをつけて後ろにシートをつけるというわけ。

 ここまで出来上がるとかなり精巧な塊が誕生する。マジでかっこいい。そして、ここまでの作業ひとつひとつが大きい。なんていうか、手先ではなくて体全体を使うのだ。まず、パーツを探すために椅子から立ち上がる。両手で巨大なランナーを眺めて欲しい番号を探す。膝の上に小動物でも抱えるのかのようにエンジンとプロペラのユニットを乗せる。

 書道はやったことないけど、特大の筆で文字を書くような感覚だ。体全体を使ってプラモデルを作っている。デカいから「合わない」という概念がかなり希薄になる。いや、実際合わないけど、気にならないのだ。抜けていない穴はピンバイスで貫通させ、全体のバランスを見ながら形を調整していく。精密な作業の結果がでかい塊として返ってくる。プロペラとエンジンとシートの3つが組み合わさって、ここから塗装をしようと、筆を奥まったところに無理やり差し込んでいると、誰かの声がする。

 「クリスチ、それスプレーじゃないか?」

 私は迷わずスプレー缶を振り、間に合わせの段ボールの中で真っ黒に塗りつぶした。そして筆で銀色を塗り、ついでにシートの色を塗ればもう大丈夫だ。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。